末っ子＿3 ページ9
慧side
俺が見たときには既に…………
慧「涼ちゃん、こっちにおいで？」
涼「やだぁっ」
………こうなっていて。
いつから…？買い物に行く前と帰ってきてからは普通だったと………
慧「大ちゃんお料理してて危ないからね」
涼「っ……りょうが、邪魔なの……？」
慧「いやぁ、、ねぇ…？」
そうだね、などとは口が裂けても言えない。
今にも溢れ落ちてしまいそうな大きな瞳に浮かぶ涙。
俺はそれに激弱なの…………だって、可愛くて可哀想でどうしようもないでしょう！？
大「邪魔っつーか………まぁ、邪魔？」
危険なものがたくさん置いてある狭いキッチン。
もしものことがあったら大変…………って、意味で大貴は言ったんだけど。
今の涼介には伝わらない。
涼「っ……ﾋｯ…ぅぅ……」
涙がぼろぼろ落ちて、この世の終わりのような表情で大貴を見つめる涼介。
大「あ、いや！身動きが取れないしっ」
言い訳しようとするも、もう手遅れだよ。
涼「っ…うえぇぇんっ！」
慧「大ちゃん！！なに泣かしてるの！！」
大「ごめん……違うんだ！」
涼「邪魔だって…っ、りょうは…、いらないっのぉっ……」
“いらない”とは言ってなかったんだけど………涼介にはそう聞こえたんだね。
大貴の気持ちも分かってるけど……ごめん、今は涼介の味方でいてあげないといけないから。
慧「可哀想に………慧くんのところにおいで？」
涼「けぇくん…っ………ん…」
はぁー、、やっと来てくれた。
………俺が癒されている場合ではないのだけど。
慧「おめめ、ぐるぐるする？」
涼「ん………しなぃ………」
慧「疲れちゃうから座ろうね」
涼「んーん、……けぇくんと、いっしょ……」
んふっ、この場にそぐわないけれど、可愛い。
離すわけないじゃない！久々に膝に乗る？それとも膝枕がいいかな？どっちにしろ…………
慧「地の果てまで一緒だよ」
大「怖っ……意味が変わってくるわ」
慧「え？何か言った？」
大「狂気的な顔やめろ」
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