大好きだよ_3 ページ42
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涼「…もぅね、ダメなの………っ…」
中「そっか、悲しかったね」
熟、人に頼り迷惑をかける自分が消えたくなる。
電話をかけたものの、話をするものの、
………面倒臭いって言われたらどうしよう………
不安は生まれ続け、増幅するばかり。
涼「…ぼ…く、………ぼく…は…っ………」
行いを後悔しても、他の道は見つからない。
大ちゃんの怖い顔が頭の中をぐるぐるして………
もう嫌っ…!
……としたら。
一瞬だけ、闇に飲まれて……意識を飛ばした。
目を覚ましたのはシャーペンが紙の上を走る音を聞いた頃。
涼「…………っ…ん、…………」
………………あ、れ…………………なにしてたっけ……
側に置いてある携帯には通話中の画面。
涼「…………ゆぅ、と…くん……?」
中『……やま、起きたの。おはよう』
そうだ、裕翔に………
涼「…っ、ごめん………電話したまま、寝ちゃった……」
意識を無くしても記憶は消えてくれない。
どうせならあの時間で全部消えてくれたらよかったのに。
中『寝言可愛かったよ』
涼「……へんなこと言ってた……?」
中『大丈夫、心配しないで』
………嘘だ。くすくすしてる。
何処まで僕は……………
中『大ちゃんと、もう一度お話してみたら?』
涼「っ………でも、きらい………ゆぅとくんも、ぼくのこと…きらい…?」
中『涼ちゃんのことを嫌いな人はいないよ』
涼「…りょうちゃん、いわないで…っ…」
昔は裕翔にも“涼ちゃん”と呼ばれていたっけ。
ずっと助けられている、唯一の親友。
心がほんの少し軽くなった気がする。
涼「……だいちゃんとこ、いってくる…」
中『応援してるね』
涼「ん、………ばぃばぃ」
中『ふふ、ばいばい』
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大貴side
大「………はぁ」
慧「そろそろ触れていい?その溜め息」
帰ってきてからの俺はずっとこんな感じだ。
正確に言えば、下校時に涼介と裕翔と遭遇したときから。
大「……俺って、どんな奴?」
慧「へぇ?うーん、体は小さいけど声は大きい」
………いいとこ、ねぇの。
そりゃ、弟に“一緒にしないで”“本当に無理”と言われるわけだ。
大「もういいわ」
慧「え、これからなのに」
大「……………」
今日は慧のノリに合わせられない。
はぁ………心狭いな。
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