ボクはとなりで_7 ページ39
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慧「涼ちゃん、入るよ」
あの頃から今。
長かったような、短かったような………
良いことも悪いことも、変わったことがたくさんあって。
その中には変わってほしくないこともあったけれど………………
涼「………………大ちゃんは…?」
慧「下にいるよ」
涼「そう…………」
一番難しくて何処で壊れてしまってもおかしくない………目に見えないものは、何一つ変わっていない。
慧「涼ちゃんに“大ちゃんは?”って聞かれたよ。会いたいんじゃない?」
大「涼介が?んなわけ………」
慧「行ってあげたらぁ?」
“今は忙しいから”なんて言っておきながら、俺が侑李にちょっかいを出そうとしている間に姿を消す大貴。
大「なにしてんだよ、寝てろって」
あらあら、ふふふっ。
侑「だいき、おこってるよぉ?」
慧「涼ちゃんを心配しているだけよ」
侑「………あっ!」
慧「ん?」
なにかを思い付いたらしい侑李は、2階の部屋へと上がっていく。
慧「なにかお探しもの?」
侑「うん」
大「ん?寒いのか?」
………ここだと、大貴と涼介の声が丸聞こえだ。
涼「すこし………………………ごめん、だいちゃん……」
大「ちゃんと布団かけとけ。手も入れて」
涼「……ごめん……」
大「…………謝るなら脱走しようとするなよ」
涼「そう、だね……でも、そうじゃなくて」
大「ストップ!それ以上言うなら、俺のカッコいいところだけにしとけ」
こんなに可愛らしい関係の兄弟………何処を探してもいないんじゃないかな。
侑「けぇくん、」
慧「ん?」
侑「これがあれば、りょおすけ、さみしくないよね?」
慧「………んふふ、そうね」
ずっと側にいてくれる。
ずっと見ていてくれる。
君も、うちの家族の一員だよ……くまちゃん。
涼「…ん………なに、これ」
くまちゃんを抱いて眠っている姿も、あの頃とちっとも変わっていなかった。
_____ボクはとなりで編fin.
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