検索窓
今日:32 hit、昨日:17 hit、合計:170,795 hit

◇ボクはとなりで_1 ページ33

慧side




休日の正午。

侑李とナマケモノごっこをしていると、ふらっとやってきたのは涼介。


涼「………裕翔のところ、行ってくる」

慧「珍しいね」


と、言うのも………涼介が中島くんのところへ行くときは家に居づらいとき……主に大貴と喧嘩をしたときで。

普通に家に遊びに行くってこともあるけど、そういうときには必ず中島くんが涼介を迎えに来てくれている。


涼「行ってきます」

慧「行ってらっしゃい、気を付けてね」


子供たちは三人とも平等に変わらず愛しているんだけど、未だに涼介が一人で出掛けることに………他とは違う心配をしてしまうのは過保護なのかな。


大「ただいまー、うぉっ!涼介っ?」


帰ってきた大貴とこれから出掛ける涼介が鉢合わせ。

それにしても、驚きすぎ……リアクションが大きいのよ。


と、思いきや…………


大「お前、どこに行く気だよ。絶対体調悪いだろ」


え………今の聞き逃さなかったよ。


涼「……………どいて、」

大「じゃ、靴脱げ」

涼「やだ………」


これは傍聴者ではいられない。玄関へ続く廊下へ出ると、座り込む涼介と立ちはだかる大貴の姿。


涼「っ………全然、だいじょうぶだから…っ…」

大「!ぁっぶねぇ………ふらついてんじゃねーか」

涼「だいちゃんが、邪魔するから…だ……」


そういうことだったのね………慧くん、騙されちゃったよ……これ以上、誤魔化しの腕上げないで。


慧「涼ちゃん、中島くんとは約束してるの?」

涼「………ぅん」


………してないのね。

急に嘘が下手になる。


慧「中島くんに電話してもいい?」

涼「なんで……」

慧「ん?涼ちゃんをよろしくお願いしますって。いつもお迎えに来てくれるときも言ってるでしょ?」

涼「………」


ちょっと意地悪しちゃったかな?

拗ねた表情で“……やめた…”と言って部屋へ戻る涼介。


慧「よく気付いたね」

大「手が震えてなかったら、俺も騙されてたよ」


表情など自分自身でコントロール出来るところは騙せても、身体は正直ってこと。


慧「んもぉ、涼ちゃん……」


隠さないでいいのに…………心配=迷惑……じゃないのよ。でっかい愛なんだからね。


ついこの前まで、あんなに幼かったのに……………………………

ボクはとなりで_2→←お呪いを解いて_7



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (176 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1034人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:夢莉 | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2021年7月10日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。