Ｔｏｐａｚ__4th__

おにいちゃん＿1 ページ32

慧side



本日は土曜日。

非情な会社は俺に仕事を押し付けお休みをくれやしないけど、子供たちはお休み。
予定は特にないと言っていたから家にいるだろう。

………あーぁ、みんなと遊びたーい…


慧「おはよぉ〜………」


AM9:30に起床した俺は、ジュクジュクと焼ける目玉焼きの音に誘われリビングへ。

大貴は最近伸びたと言っていた前髪をちょこんとゴムで留めていて。


………高校生には見えないと思っていたけど、下手したら小学校低学年に間違われそうだ。


大「はよ、味噌汁よそっといて」

慧「んふふ、はーい」

大「……なんかキモいな」


豆腐とワカメの味噌汁だなんて健康的ね。
いいお嫁さんになれるわ〜………口の利き方さえ直せればね。


慧「涼ちゃん、侑ちゃん朝御飯ですよー」


並んでテレビをみていた二人。

侑李が先に反応して、テレビを消し、後ろに涼介を連れて席に座る。

………？…涼介の顔が、元気がないような……困っているような………気のせいかな？


その表情にどんな意味が含まれていたのかは、その後すぐに知ることになった。



「「「「いただきます」」」」


慧「ん〜、目玉焼きが真っ黒でおいしい！」

大「手が滑ったんだよっ」

慧「全然上達しないね〜、わぁワカメが全部繋がってるぅ」

大「……文句があるなら」


……と、大貴で遊んで楽しくご飯を食べているんだけど………

何処か盛り上がりに欠ける感じがして。


………あ、涼介が参戦してくれないんだ…！今日は一度も声を聞いていないぞ？


慧「涼ちゃ…」

侑「りょおすけ、あーん」

涼「………」

慧「？？」


…あ、あれ？これってどういう……


侑李は小さなスプーンで掬ったご飯を涼介に食べさせる。

涼介は目を泳がせながらおずおずと口を開いて食べ………


大「………今朝から、こうなんだよ」

慧「へ？」


朝食を終え食器洗いをする大貴に聞くと、なんと……………兄弟が逆転したらしい。

つまり、涼介が侑李の弟になったんだって。


………説明はざっくりしてるけど、意味分からないよ？


大「侑李が突然、お兄ちゃんになるって」

慧「それで、涼ちゃんが…？」

大「ん、あのくらいの年の子供は突拍子もないことを言い出すからな」

おにいちゃん＿2→←作者より

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す