Ｔｏｐａｚ__4th__

◇頭上注意＿1 ページ17

涼介side




涼「…ｹﾎｯ………ん〜っ……」


今日は俺と侑李でお留守番。
慧くんはお仕事、大ちゃんは友達とお出かけ。

でも、二人とも暗くなる前には帰ってくるらしい。
そう出掛ける直前に言っていた。


ついでに、戸締まりと火回りは気を付けろ、と耳がタコになるほどに。


侑「んぅー、…んっ！」

涼「侑李、何してるの？」


午前中は一緒に絵本を読んだりお絵描きをしたり、庭で縄跳びをするのを見ていたりして。

昼食は作り置きのサンドウィッチで済ませ、午後からはリビングにいながら各々……俺は映画を観ていた。


侑「おやつ…！」

涼「あー、ごめんね。今用意するから」


もうそんな時間か……

さっきまではゲームをしていたけど、しっかりしたルーティーンで動いている侑李はいつの間にか片付けていたみたい。


涼「動物型のビスケットでいい？」

侑「うんっ、ゆーりそれすきーっ！」


ぴょんぴょんと飛び跳ねる音がしてその事に気づいた俺は、映画を止めて侑李では手の届かない棚からおやつを用意した。


侑「りょおすけ、なにみてるの？」

涼「ハ◯ー・ポッターだよ。侑李は怖いって観ないでしょ？」

侑「ど◯えもんがいい！」

涼「はいはい、ドラ◯もんね」

侑「はいはいっかい！」

涼「はーい」


毎度お馴染みのやり取りを交わしつつ。

お酒を改め、おやつのお供として青いネコ型ロボットの国民的アニメ映画のDVDに切り替える。


侑「わぁっ……すごーい！…」


俺も小さい頃よく観てたなぁ……なんて若干感傷に浸りつつ。

今はアニメーションの世界に一喜一憂する侑李を観賞する方が楽しいって。

ちょっと大人になったのかな。


…………ビスケットに伸ばす手は止まらないけど。

頭上注意＿2→←ごめんね、先生＿9

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す