検索窓
今日:30 hit、昨日:2 hit、合計:209,569 hit

ごめんね、先生_5 ページ12

.




「中島こっち!」


半分くらいがやられていって。

……裕翔のお陰で無傷の俺が申し訳ない……


もっと試合に集中したいだろうし……わざとボールに当たろうと背中から出ると、後ろに目がついているのか………阻止される。

話しかけられるような場面じゃない今、俺はどうしたらいいのだろう………


中「っ、やま!」

涼「?…ぇ、」


裕翔の声と共に一斉に視線が集まった。

俺の手の中に……一度も触れられなかったボールが回ってきたから。

………いいの?


涼「裕翔……」

中「うん」

涼「うんっ………」


えいっ!

………力一杯投げた。

けど、ボールはひょろひょろで。


一旦止まった空気はすぐに動き出したけど、裕翔がくれたグーサインだけで俺は十分だったよ。




___ピーーーーッ!






涼「……ごめんね」

中「どうして謝るの?勝ったんだよ」


第一試合、俺はコートに最後まで残っちゃってただの足枷でしかなかったけど………うちのクラスは見事勝利した。


中「やまのボール、相手もすごく構えてきてたよ。何より俺はやまと一緒で楽しかった」

涼「…嘘だ」

中「俺が嘘を吐くの苦手なの、やまはよく知ってるでしょ?やまは楽しくなかった?」


試合の最中は申し訳ない気持ちでいっぱいで。

ハムスターと猫が競争してるくらいのレベル違い。

でも、終わってみると………いい思い出に……してもいいかな…?


涼「……すごく緊張したっ」

中「かわいいっ!」

涼「っ痛い痛い痛いっ!急に抱き付くなっ」

中「次の試合はどうする?」

涼「見学しとく」

中「えぇー!…でも、仕方無いよね……ゆっくり休んでて」

涼「うん、頑張ってね。……………はぁ……っ…」


クラスメイトと合流する裕翔を見送り、息つく暇もなく次の試合の直前。


………………バタンッ。

体育館が静まり返るような大きな音が響いた。


「君、大丈夫か!?」


それが床に叩きつけられた自分の体だと認識したのは、回りに人が集まり声をかけられているのに気付いたとき。


涼「ぅ……は、ぃ……だいじょ、っ…ぶ……………」

中「ちょっとすみませんっ、やま…!」


……緊張から解かれてホッとしたら、ずっとドキドキうるさかった胸が苦しくなって気が遠くなっていくのを感じた。


迷惑にならないように保健室へ避難しようとしたけど、間に合わなかったみたい…………………

ごめんね、先生_6→←ごめんね、先生_4



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (196 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
806人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

夢莉(ゆ〜りり)(プロフ) - 苺さん» 返信遅くなり申し訳ありません…!ありがとうございます!本日更新させていただきましたので読んでいただけたら嬉しいです…! (2020年9月10日 18時) (レス) id: 7762ef5dd7 (このIDを非表示/違反報告)
夢莉(ゆ〜りり)(プロフ) - ゆーさん» 返信遅くなり申し訳ありません…!待っててくださったのですか(照)←ありがとうございます!頑張ります! (2020年9月10日 18時) (レス) id: 7762ef5dd7 (このIDを非表示/違反報告)
夢莉(ゆ〜りり)(プロフ) - 鍋部さん» 返信遅くなり申し訳ありません…!こちらこそそう言っていただけてとても嬉しいです! (2020年9月10日 18時) (レス) id: 7762ef5dd7 (このIDを非表示/違反報告)
- 続きが気になります!更新楽しみにしてるので頑張ってください!! (2020年8月11日 21時) (レス) id: 5bca04a89d (このIDを非表示/違反報告)
ゆー(プロフ) - 更新待ってました!!!すごく嬉しいです。頑張ってください! (2020年8月9日 22時) (レス) id: cb796110be (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:夢莉 | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2020年5月6日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。