Ｔｏｐａｚ__4th__

◇迷子の侑李ちゃん＿1 ページ1

涼介side




慧「うえぇぇぇんっ、！！」

大「あー、もうっ。お前は子供かっ！」


うちって、特別騒がしいんじゃないかって。


………たまに思う。


と言うのも、他の家庭を見ていないからね。

でも、お父さんってドラマとかで観るイメージだと………慧くんとは全然似ても似つかない真逆な感じがする。


大「ほら、遅れっからさっさと行く！」

慧「ｸﾞｽﾞｽﾞｯ……慧くんいなくて寂しくない…？」

侑「いってらったい」

涼「早く終われば日帰りできるって言ってたじゃん」


出張に行くのにこんなに駄々を捏ねるものかな？
一週間家を空けるならまだしも、1日だけだよ？

もう見慣れた光景だから、家族の中では恒例みたいなものだけど。


慧「戸締まりしっかりね？慧くんがいないからって寂しくて泣かないでね？」

大「そっくりそのまま返してやるわ」


泣きながら言われてもね………てか、泣かないし。

正直、慧くんがちゃんと仕事をしているのか謎だよ。


慧「涼ちゃんと侑ちゃんに引き留められたら……」

涼「引き留めてないから大丈夫」

侑「はやくいく！…ゆぅり、りょおすけとおでかけするんだからっ」


半ば強引に、3人でいってらっしゃいを言って送り出した。
玄関に30分位はいたな。


侑「けぇくん、いった！」


今日は学校が無いから、侑李とお買い物に行く約束をしているんだ。


涼「侑李、準備しよ」

侑「うんっ」

大「なんの準備？あ、さっき侑李が涼介と出掛けるとか言ってたな」


……まずい………

と思ったのか、侑李が慌てて両手で口を隠す。


……そうだね、でももう遅いかも。


大「暇だから着いていこっ」


遠慮という言葉を知らない大ちゃんは、こちら側についていってもいいかの確認をせずに勝手に決める。


侑「……だいきもくるの………」


………侑李、ドンマイ………

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