信用問題。 ページ34
『ははは。危ないじゃん、何するつもりだったのかな?』
「え?」
荷物のように私の小脇で抱えられ、呆けたような顔をする、さっき殺されかけた男子校生。
「っおい!降ろせ!!ていうか、なんで片手で俺を抱えられるんだよ!?」
『何それ、お礼ぐらい言いなよ。お里が知れるぞ、お馬鹿太郎サン。
……!あぁ、降ろして欲しいのか。お望み通り降ろしてあげるから感謝しなよ。』
そう言って、抱えていた手をパッと離す。
案の定、地面に激突するお馬鹿太郎。
「いっっだあ!落としたの間違いだろ、これ!?それに誰だよ、お馬鹿太郎って!俺は一ノ瀬亮太だ!!!」
殺されかけた人間とは思えないほど元気にギャンギャン喚く、お馬鹿太郎もとい一ノ瀬亮太。
「というか、何なんだよあいつ!?さっきのナイフだよな??」
コイツ幸せな頭してんなぁ。
何で自分が殺されないとでも思うんだろ。
『やっぱ、お前正真正銘のバカだな。お馬鹿太郎にでも改名しなよ。』
「はぁぁぁ!!?」
『うるさい。取り敢えず馬鹿でもわかるように教えてあげるけど……。』
そう言いながら、夕霧を地面に座り込んでいる一ノ瀬に向かって振るう。
「っっっっ!!?」
しかしその剣先は一ノ瀬に当たる事はなく、首筋スレスレで止まる。
それと同時に響くのは、鉄同士がぶつかり合う甲高い音だった。
『簡単に人を信じない方が身のためだよ。』
間を詰めて一ノ瀬の首筋を切ろうとしていた謎の男との鍔迫り合いをしながら、恐怖に震える一ノ瀬に言う。
しかし、心中では焦りまくる。
(流石に不味いだろ、これ…。この男、意外と
流石に、素人庇いながらだとキツイ。
見捨てたいとこだけど、それはアウトだし。
(隙を見て此処から逃すか。)
そうと決まればやるしか無い。
競り合っていた力を抜きざま、受け流し相手の体勢を崩し、距離を取らせる。
そうして、制服の袖口に縫い付けていた
「うおっ!これ人間…?」
一ノ瀬が、驚いたような顔でこちらを見やる。
『違う。式神だ。説明は上にいるはずの私の仲間にしてもらえ。あと、舌噛んで出血多量で死にたくなきゃ、黙って。』
「しっ!?」
脅すと同時に黙り込む、一ノ瀬。
その姿を見て、顕現した式神に命令を下す。
『ソイツ連れて、上の連中と合流しろ。何が何でも、死守だ。』
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Chai(プロフ) - しらすさん» ありがとうございます!!そう言ってもらえると嬉しいです! (2021年4月26日 17時) (レス) id: dd818a607a (このIDを非表示/違反報告)
Chai(プロフ) - もっっっちさん» ありがとうございます。更新頑張ります… (2021年4月26日 17時) (レス) id: dd818a607a (このIDを非表示/違反報告)
しらす - 控えめに言ってこの作品大好きです (2021年4月20日 20時) (レス) id: 5d40a22327 (このIDを非表示/違反報告)
もっっっち - うわぁぁぁめっちゃ好きです!更新頑張ってください!! (2021年4月19日 23時) (レス) id: 719e5dac86 (このIDを非表示/違反報告)
みみ(プロフ) - わああ!!!ありがとうございました!!!とっても続きが気になります、、更新これからも頑張ってください! (2021年2月15日 21時) (レス) id: 17d04197cc (このIDを非表示/違反報告)
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