雨の日 ページ29
赤葦side
ゴールデンウィークが明けて五月も2週目に入った月曜日。
外は生憎の雨。
中庭が使えないせいで、今日はAと昼飯を食べれない。
代わりに教室で、いつもの移動教室組と固まってご飯をつついている。
｢ほら赤葦〜元気出せー！｣
｢そうだぞー！幾ら愛しの彼女と会いたいからって、ふぐっ！？｣
｢伊丹、声でかい｣
あまりに茶化すのでとりあえず、伊丹の口にメロンパンを突っ込んだ。
横から｢おいそれ俺の！？｣とが聞こえた気がするけど気にしない。
行き帰りで会えるからいいんだけれども、
(高確率で男バレの先輩方が邪魔しに来るが、)二人きりでいられる可能性があるのは昼だけなのだ。
それに、最近あった関東大会予選の話もしたい、というか聞いて欲しい。
木兎さんが途中の試合で、苦手だったストレート打ちをものにした話とか。
｢てかさ、雨降ったら会えないとか七夕か。｣
｢それな。何で？？｣
｢あー、それは｣
教室で一緒に食べるのは、人多いから嫌ってAが。と言うと、｢いやん彼女想い〜｣とかまた茶化し始める。
……なんとか話題を変えよう。
｢てかさ、今日降るって言ってなかったのにめっちゃ降ってるね｣
｢ん？あー、確かに。これ傘忘れて生指(生徒指導室)に借りに行くやつ多いんじゃね？｣
｢おー、それ俺だ｣
｢おつ｣
話題の路線変更に成功したので、また無心におにぎりを頬張り始める。
……そう言えば、A傘持ってきてるのか？
何せAは全然天気予報を見ないのだ。
彼女曰く、『カンでなんとかなる』らしい。
ま、あっちが持ってなくても俺が折りたたみ持ってるし。一緒に入って帰ればいいんだけど。
そこまで考えて、周りが静かなことに不信感を覚える。
ふと顔を上げると、ニヤニヤ顔をした友人たち。
｢…どうしたの？｣
｢いやー、赤葦わかり易いなぁと。｣
｢普段嫌ってほど表情読めないのになぁ｣
｢Aちゃんのこと考えてる時はめちゃわかり易いよなぁ｣
｢いやぁ、幸せそうで……爆発しろ｣
最後のは意味が分からないけど、わかり易いって……そんなに顔に出てるのか？
疑問符を浮かべながら4個目のおにぎりを頬張る。
そんな俺を後目に、ヤツらは昼休みが終わるまでニヤニヤしていたのだった。
”あーいいなぁ、俺も彼女欲しいー！”
”あら、じゃあ私と付き合う？♡(裏声)”
”伊丹、それはねぇわ。だいぶ引くわ〜。”
”マジレス辛い”
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とみーさん(プロフ) - アニメ大好きwomanさん» ありがとうございます！本当に更新お待たせして申し訳ないです(--;) (2019年10月2日 1時) (
レス) id: e806159e05 (このIDを非表示/違反報告)
アニメ大好きwoman - とっっても面白いので早く続きが読みたいです！ (2019年9月30日 3時) (レス) id: 8b1d0909e8 (このIDを非表示/違反報告)
とみーさん(プロフ) - 鶴まじ天使さん» うわぁぁありがとうございます！ (2019年8月31日 0時) (レス) id: e806159e05 (このIDを非表示/違反報告)
鶴まじ天使(プロフ) - ふふっ夢主ちゃんと赤葦のやり取りが見てて微笑ましいですね(笑)すごく微笑ましくて面白いです！これからも更新頑張ってください！応援してます！ (2019年8月29日 7時) (レス) id: 2390bd5229 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とみーさん | 作成日時：2019年8月20日 12時
