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展望台 ページ43

待ち焦がれた2日目の夜。
8時半まで展望台で自由行動だと言われて解散になった。
3組はどうやら先に着いていたようで、解散直後に高所恐怖症で一階待機の勝田と遭遇した。



Aエレベーターで登った所の出て左の方にいるー!

赤葦京治今着いた。そっち向かう

A了解〜



こそこそ着いてきていた伊丹たちを撒いてエレベーターへ。

展望階に着いて左へ少し進むと白銀の髪が特徴的な小さな後ろ姿。

後ろから近づいて目隠ししてみる。

「だーれだ?」

『あー!あかーし〜!えっと、お久しぶりです?』

「お久しぶりです」

久しぶりって言っても2日ぶりだけどね。

ふわ〜っと笑うAに思わず頰が緩むけれど、そこでハッとして周りを見る。

「…あれ、あんまり梟谷いないんだね」

『あー、うちのクラスもさっき来たばっかりだからね。みんな売店に行ってるんじゃないかなぁ』

「なるほど」

じゃあ多少ひっついても良いか。
一般客はいっぱいいるけど、カップルだってちらほらいるし。

なんて考えて夜景を眺めるAの隣に並んだ。
目下に広がる街の光は圧巻。光の川みたい。

『すごいよねぇ』とA。
街の光を映す澄んだ瞳に伏せ目がちに長い睫毛がかかって、やけに大人っぽく見える。

『なんか、クリスマスのイルミネーションみたい』

「うん」

『きれいだねぇ』

「そうだね」

『…あの、』

「ん?」

『そ、そんなじっとこっち見ないで…夜景、見ないの…?』

Aは照れて赤くなった顔を両手で隠してしまう。
ええ、もっと見てたいのに。

「A。手のけて?」

『な、なんで…?』

「きれいだから」

『き…!?』

「ね、お願い」

『うぅ…っ』

お願いという言葉に弱いAはおずおずと手を退ける。こういうところも可愛い、なんて。

暫くプシューと紅潮していたA。
だが唐突にぶんぶんと首を左右に振り、再びその瞳に函館の街のイルミネーションを映し出す。


まだ熱の冷めきっていないその頬も、雪みたいな肌もトパーズの瞳も、その全てが愛しくて。

あーあ…付き合い始めた時は、こんなに溺れるなんて思ってもみなかったのになぁ。









”カシャッ”

”あっ!?今撮ったでしょ!?”

”んー?”

”あかーしぃぃ…!”

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設定タグ:ハイキュー , 赤葦京治   
作品ジャンル:恋愛
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とみーさん(プロフ) - アニメ大好きwomanさん» ありがとうございます!本当に更新お待たせして申し訳ないです(--;) (2019年10月2日 1時) (レス) id: e806159e05 (このIDを非表示/違反報告)
アニメ大好きwoman - とっっても面白いので早く続きが読みたいです! (2019年9月30日 3時) (レス) id: 8b1d0909e8 (このIDを非表示/違反報告)
とみーさん(プロフ) - 鶴まじ天使さん» うわぁぁありがとうございます! (2019年8月31日 0時) (レス) id: e806159e05 (このIDを非表示/違反報告)
鶴まじ天使(プロフ) - ふふっ夢主ちゃんと赤葦のやり取りが見てて微笑ましいですね(笑)すごく微笑ましくて面白いです!これからも更新頑張ってください!応援してます! (2019年8月29日 7時) (レス) id: 2390bd5229 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:とみーさん | 作成日時:2019年8月20日 12時

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