看病 ページ32
ピンポーン
インターホンの音で目を覚ます。
外はもう真っ暗。壁時計は19時半を指している。
…ということは、Aか。
まだだるい体を引きずり1階へ。
でも少し楽になったなぁなんて考えながらドアを開ける。
『こんばんは』と笑う彼女。いつものエナメルにプラスでお泊まりセットであろうナップサックをしょっていた。
一歩間違えたら家出少女だ。
というか、まさか本当に来るとは。明日も学校だし…
まあ、ここまで来てもらって帰すのも忍びないし、外も暗いので｢いらっしゃい｣と言って家に上げた。
今更だが、マスクですごく喋りづらい。
ぼーっと歩いていると、リビングに着いたところでAがちょいちょいと服の袖を引っ張った。
『あかーし、起こしちゃってごめんね。
ゼリー買ってきたし、あかーしママからキッチンの使用許可とったからお粥もできるよ』
『どっちがいい？』と尋ねるA。秒で｢お粥｣と答えた。
単純に米が好きなのもあるけど、やっぱりAの手料理が食べたい。
『わかった。2階で寝てて！できたら持ってく〜』
何だろう。熱のせいか？いつも以上に想像力が働く。
結婚したら風邪引く度に看病してもらえるのかな、
なら俺は年柄年中髪乾かさず薄着でクーラー付けて寝よう、なんて。
｢ん、ありがと｣
心の中で悶えながらも何とか返事だけして自室へ。
暫くしてAがお粥を持ってきてくれたので頂くことにした。
『まだ熱いから』と言ってよそったお粥をフーフーと冷ますA。無自覚なのか否か。
『はい、あーんして』
｢！？｣
本人は至って献身的に看護してくれているだけ。それは分かっている。
でも、可愛すぎる…！
口を開けるとAが食べさせてくれる。
『昔、光にぃがお熱の時にこうやってやったの！懐かしい〜』なんて無邪気に笑う。破壊力がえげつない。
お粥も程よく煮込んであって美味しいし…
彼女は子供みたいな振る舞いでよく家事ができないと思われるが、実はその逆。
だから去年の家庭科の実習は強かったし、初めての調理実習で和食を作った時には｢一家に一台木兎｣とクラスメイトに言わしめるほど大活躍だったなぁ。
そんな事を思い出している俺の横でゆっくりとお粥を掬ったAはふっと笑った。
『…あかーしは本当に優しいねぇ』
｢？｣
唐突な言葉に思わず首を傾げる。
『昨日、私が濡れないようにしてくれてたから風邪ひいたんでしょ？ありがとう』
｢っ、｣
”ああ、もう…可愛すぎでツラい”
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とみーさん(プロフ) - アニメ大好きwomanさん» ありがとうございます！本当に更新お待たせして申し訳ないです(--;) (2019年10月2日 1時) (
レス) id: e806159e05 (このIDを非表示/違反報告)
アニメ大好きwoman - とっっても面白いので早く続きが読みたいです！ (2019年9月30日 3時) (レス) id: 8b1d0909e8 (このIDを非表示/違反報告)
とみーさん(プロフ) - 鶴まじ天使さん» うわぁぁありがとうございます！ (2019年8月31日 0時) (レス) id: e806159e05 (このIDを非表示/違反報告)
鶴まじ天使(プロフ) - ふふっ夢主ちゃんと赤葦のやり取りが見てて微笑ましいですね(笑)すごく微笑ましくて面白いです！これからも更新頑張ってください！応援してます！ (2019年8月29日 7時) (レス) id: 2390bd5229 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とみーさん | 作成日時：2019年8月20日 12時
