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11. 5回目もやっぱり幽霊だった。 ページ11

ぱち、と目を開けた瞬間。

『わ、わっ!〜っ!!』

体が揺れて地面に倒れた。
…現実世界とリンクしてるのかな。
仰向け状態のまま考えた。

『うーん、とりあえず星が綺麗』
「何してるんだ?」
『うわっ!?』

満天の星空を見ていたら、ひょこっと少年の顔が現れた。

『びっくりしたぁ。いつからいたの?』
「お前が倒れた時からだな」
『最初からですねそれは』

いつまで寝てるつもりだ?と言われたので起き上がった。

そういえば、と思い出す。少年18歳か?

『あー!歳を越されたー!』
「そうだな。歳上は敬えよ」
『少年のどこに敬う要素が…あ〜結構ありそうむかつく』

いや少年落ち着いてるし大人っぽいし賢そうだしなんか尊敬されてそうじゃん。
ほぼ同い年なのにどこで差が…環境の違いか?遺伝子がダメだったか??

『む〜』
「そう拗ねるな。ほら、飴をやるから」
『わかりやすい子供扱い』

貰うけどね!!食べちゃうけどね!

包み紙をとってぽいっと口に放り込む。
イチゴ味だ。普通に美味しい。


そう思った瞬間、ドクン、と激しく心臓が鼓動する。
強い吐き気と目眩に襲われ、冷や汗が止まらない。呼吸も激しくなっていく。

苦しい。くるしい。

『うっ、おぇえ』

ついには吐いてしまった。
生理的な涙も出てくる。

「ダメだったか」
『はぁっ、なに、が…?』

涙で視界がぼやけていて、少年の表情が見えない。

「言っておくが、毒は入れてない。この世界の食べ物自体が食べられないんだろうな」

なるほど、拒否反応になるんだろうか。
でも、少年はプリン味のチョコレート、食べれたのに。

しばらく座り込んでいたら、ようやく呼吸も落ち着いてきた。

「A」
『え…』

名前、初めて呼ばれた。
少年は私の頬に手を当てようとしたが、その手は私をすり抜けた。

『あ、』
耳鳴りと頭痛が始まった。
意識が遠のいていく。









「残念、失敗か」

12. 幽霊は寝る前に後悔した。→←10. 幽霊はまた眠る。



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でぶき - ただひとつありがとう (2022年6月13日 1時) (レス) @page17 id: 804c35253a (このIDを非表示/違反報告)
蒼の戦姫ナキサ(プロフ) - 伯方の塩さん» うぉおぉおお!!ありがとうございます!!更新亀ですが見捨てずにお願いします!!第一次試験は私についてくることです(?) (2020年2月23日 14時) (レス) id: 60b43feb3a (このIDを非表示/違反報告)
伯方の塩(プロフ) - めっちゃ好き!!(五体投地)クロロと夢主ちゃんとの関係性がとても好きです!!!!いつまでもついていきます作者様ぁぁぁぁ!!!! (2020年2月22日 23時) (レス) id: 5835c2f118 (このIDを非表示/違反報告)
蒼の戦姫ナキサ(プロフ) - アホ毛マンさん» げへへ…10年間焦らしたので執着心の強いクロロ君はヤンデレに…!!コメントありがとうございます!頑張ります(´∀`*) (2020年2月5日 16時) (レス) id: 60b43feb3a (このIDを非表示/違反報告)
アホ毛マン - フォォオォォオォ素晴らしい作品ありがとうございます!ゲヘヘクロロ君のヤンデレ気味よろしいですね、更新頑張ってください! (2020年2月3日 19時) (レス) id: 7dd7c3a066 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蒼の戦姫ナキサ | 作成日時:2020年1月12日 0時

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