【H×H】クロロに愛されるだけ【短編集】 (ページ8)

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クモの巣にかかったかのようにページ8

あぁ、どうしてこうなったんだっけ
私はただ普通に生活してただけなのに。

部屋にただ一人、私は鎖に縛られている。

ここに連れられてきた時のことを、よく覚えている_____

_____それは学校帰り。
ジャポンの学校に通っていた私。
いつも帰りは1人。

だから、相手からすればさぞかしやりやすかっただろう。

「こんにちは。Aちゃん、だよね?」

顔が整った男性に声を掛けられた。
すごく爽やかで好青年。そう一目見て思った。
それは、違ったのだけれど。

『そうですけど、あなたは...?』

その答えを聞くことは無かった。
意識がなくなったから。

目が覚めると、この部屋にいた。
手枷足枷が付けられて。
窓すらない部屋。

まさかとは思ったけど、そう思わざる状況。

" 監禁 "

「おはよう、A。俺はクロロ。よろしくね」
『ここ、どこですか...?』
ガタガタと体が震える。
ここは何?何をされるの?

「はは、そんなに怯えなくても大丈夫。何もしない。

ただ...君はここにいてくれるだけでいい」

まるで恋人に向けるような、蕩けた顔をしていた。
でも、目は笑ってなくて。少し不気味だった。

『あ、の。クロロさん』
「クロロ、って呼んで?敬語もいらない」
『え、う、うん...』

すごくフレンドリーだ。
この状況さえなければ、だけど。

『私、クロロと会ったことある...?』
「無い、かな?ただ、商店街ですれ違っただけ」

え、それだけ?

「あれは一目惚れだった。
でも、ちゃんと君のことについては詳しく知ってるから安心してよ」
ニコ、と笑うクロロ。

そして頭に手を伸ばした。
___怖い。

『触らないでっ!』
「!」

私はそれを咄嗟に手で払い除けてしまった。
あぁ、どうしよう

『ごめん、なさい』
「...大丈夫、まだ怖いよね。これから慣れていけばいい」

怒ってない、みたい?
その後、ここでの生活について説明をされた。
驚くほど優しく、丁寧に。

でも、その雰囲気がガラッと変わる。
「一つだけ重要事項だ。

くれぐれも逃げようだなんて考えるなよ」

息ができないほどの恐怖。
クロロからは、何か威圧を感じた。

「返事は?」
『っ、は、い...』

一生ここからは逃げられない。
そう悟ったのはこの瞬間だった。

_____
あれから何日経っただろう。
やはり私は逃げることが出来ていない。

ガチャリ、とドアが開く音がした。

「ただいま、A。いい子にしてたか」
『うん...おかえりなさい』

血の匂いがするクロロを抱きしめた。