【煉獄杏寿郎】全力で救いたい！【トリップ】

肆拾肆 ページ46

『可愛い…！』
「そうでしょう！禰豆子は街一番の美人と評判だったんですよ！」

そりゃそうだろうなぁ…。
今は小さくて可愛いが、大人になったらとんでもない美人になるぞ…。

『ずっと起きないと言っていましたが、原因は何か分りますか？』
「いえ…それが何もわからなくて」

炭治郎は不安そうな顔をした。
妹がずっと起きないなんて、心配でしょうがないよね。ううん。

『禰豆子ちゃんは人を食べないんでしたよね？』
「はい。まだ1度も食べていません」
『もしかしたら、人を食べて栄養を補給する代わりに眠っているのかもしれませんね』

本当に禰豆子ちゃんは例外だねぇ…。
でも飢餓に耐えられる精神力だからこそでもあるか。
…竈門家の精神力強くね？そういう遺伝子？

「あの、Aさんは鬼殺隊の方ですよね？
俺が言うのもあれですけど、禰豆子のこといいんですか？」

ちら、とこちらの様子を伺いながら聞く。

『義勇さんも鱗滝さんも認めたんです、私は十分信じられると思います』

炭治郎はほっとした様子だった。
しかし現実はきちんと教えてやらねばならない。

ですが、と私が続けた。

『鬼殺隊に入る人は鬼によって大切な人を殺された場合が多く、鬼への怨みは強い。
禰豆子ちゃんが人を食べないなんて信じない人も必ずいる。寧ろ私達が少数派でしょう』
「それは…」
『覚悟はしておいた方がいいです』

そう言うと、炭治郎は真剣な表情になる。

「覚悟なら、出来ています」

簡単な道じゃないことは分かっています、と。
それでも妹が人間に戻れる可能性があるならば、と。

…強いなぁ、この子。

『ふふ、まぁ厳しいことを言いましたが、私は信じています。
なんでも頼ってくれていいんですよ。なにせ姉弟子ですから！』
「はい！本当にありがとうございます…！」

炭治郎は嬉しそうに笑った。
可愛いー！！よしよししたいー！！

その後鱗滝さんに食事ができたと呼ばれ、美味しく頂きました。うまい！









『鱗滝さん』

炭治郎が山へ言ったのを見計らって話かける。

『もしも腹を切るなら、私も切りますよ』
「…それで、いいのか？」
『えぇ、柱という立場で鬼をあえて見逃しました。私も責任を取ります』

鱗滝さんは少し黙り、わかった、と頷いた。

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