参拾壱 ページ33
静かに戸を閉め、そして少し離れたところまで歩く。
そしてうずくまった。
『…ぁぁやっちゃったぁ…!!』
めっちゃくちゃ言い返しちゃった!!!!やらかした!!!!!うわああ!!!
「いやはや、君は存外肝が据わっているな!」
『いいえただ無礼だっただけ、で…す…』
…。
『!?』
バッと振り返れば煉獄さんがいた。
あるぇ!?!?
「父上への挨拶はいいと言ったのに、君は律儀だな!それもまた君の良いところではあるが!」
『れ、煉獄さん…いつの間に…』
「恥ずかしながら忘れ物をしてしまってな。戻ってきたら君が父上の部屋へ入るのを見てつい盗み聞きをしてしまった!」
わはは!と笑うが堂々と盗み聞き宣言すんな。
てか、え?最初から聞かれてたの?
うわぁ、うわぁ!
思わず顔が赤くなる。
『うぅ、聞いたこと全部忘れてください…』
「何故だ!俺は君の言葉がとても嬉しかったぞ」
煉獄さんはうずくまっていた私に合わせてしゃがみ、私の頭を撫でる。
…え?私死ぬ?推しが私をよしよししてくれて…え?あれ?死ぬ?
「はは、顔が赤いな!…体調でも崩したか?」
煉獄さんが少し悪戯っぽく笑って聞いてくる。この人私が照れてると気づいて言ってるな…!!
意外と意地悪!推せる!!くっそ!!
『い、え…私は風邪は引きませんから…』
すっかり顔が熱くなってしなった私は、そんな根拠も無い言葉を口にするのだった。
.
.
.
_____
「ところでA!」
『はい』
「もう一度俺を“杏寿郎さん”と呼んではくれないだろうか!」
『…は、い!?』
「そうか!呼んでくれるか!」
『いや今のは肯定の意味の“はい”ではなくて、』
「さぁ、いつでもいいぞ!」
『いや、えっ、だから違くて、』
「いつでもいいぞ!」
『あの、話を…』
「いつでもいいぞ!」
『えぇ……』
「…」
『…きょ、きょう……ぅ…』
「うむ、次は“じゅ”だ!」
『分かってますよそれはっ!きょう、じゅ…』
「…」
『〜っ!やっぱ呼びません!!』
「むっ!?よもや!!
わっはっは、逃げられてしまったか!
…次はしっかり捕まえてから呼ばせるとしよう」
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蒼の戦姫ナキサ(プロフ) - 5262さん» コメントありがとうございます!励みになります! (2020年12月17日 11時) (レス) id: 9d3d6315a8 (このIDを非表示/違反報告)
5262(プロフ) - 初めましてコメント失礼致します。続きが楽しみです!大変だと思いますが更新頑張ってください、応援してます (2020年12月15日 17時) (レス) id: e1b40e07f2 (このIDを非表示/違反報告)
蒼の戦姫ナキサ(プロフ) - コメントありがとうございます!夜はいいですよね! (2020年12月7日 23時) (レス) id: 9d3d6315a8 (このIDを非表示/違反報告)
レイレイン - 夜が好きッ!?私と同じだ… (2020年12月7日 17時) (レス) id: 5a04a92c31 (このIDを非表示/違反報告)
蒼の戦姫ナキサ(プロフ) - yersk0402さん» ありがとうございます!!煉獄さんに会いたいですよね!!更新頑張ります! (2020年12月6日 20時) (レス) id: 9d3d6315a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナキサ | 作成日時:2020年11月28日 20時