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「あ、煉獄さんが200億の男に」

下校中。
スマホを上下にスクロールさせてそう呟いた私の友人。

「さっすがぁ!煉獄さん大富豪じゃん」
『いやぁ貢いだ甲斐があった。何度煉獄さんの死を見届けたことか…』

アッ、思い出しただけで泣きそう。
鬼になれ杏寿郎…それで怪我全部治して人間に戻れ杏寿郎…!
ああでもそれは良くない考えだよねうわああ…。

『あー、なぜ私には煉獄さんを救う力が無いんだ…不甲斐ない…』

そう言うと、普段つっこんでくれる友人達は無言だ。

『…あれ?』

振り返る。友人達の姿がない。

…。

あれ!?

『え、迷子?この短い間に?え?てか森!?』

いつの間にか辺りは木しかない。
学校周辺に森なんて無かったはずだけど!!
どこですかここは!?

カァ、カァ…

カラスが鳴く。空を見上げればもう暗い。

__夜だ。

『…おかしい』

さっきまで、日は落ちてなかったのに?
さっきまで住宅地だったのに?

何が起こっているのか。訳も分からない場所に一人取り残され、不安が膨らんでいく。

『とりあえず電話…。?うそ、繋がらない』

まさか圏外?
いよいよ連絡手段がなくなってしまった。

もし動物に襲われたら。
もし森から出られずに食料が無かったら。
もしこのまま家に帰れなかったら。

次々と嫌な想像をしてしまう。
ダメだ、嫌な仮定忘れて、対処するのが先だ。

そう思い首を振って思い直した時だった。

「お嬢ォちゃーん…」

背後から声を掛けられる。

ぞわりと身の毛がよだつ。それほど不気味な声だった。

それでも、声がした方を振り向く。

『ひ、っ』

見るからに、人間ではない異形のバケモノがいた。

「こぉんな夜に出歩いちゃいけないねェ!!!」

バケモノは私に飛びかかる。
考えるより先に体がそれを避けた。
しかし尻餅をついてしまう。

状況に頭がついていけない。
どうして。どういうこと。

『な、に…なんなの…』
「その様子だと鬼を知らねぇらしいなァハハ!」

鬼、と名乗った男は、つらつら言葉を並び立てる。
曰く、人を食べるのが鬼だと。どうやっても鬼は死なないのだと。

そんな、まるで、鬼滅の刃みたいな。

「夜に出歩いた自分を悔やみなァ!」

鬼は物凄いスピードで襲いかかる。

咄嗟に立ち上がり、背負っていたリュックを鬼へ振り落とす。

仮にも受験生の、教科書パンパンの重い鞄なので、それなりの威力は出る。
油断していた鬼は後ろへと転がった。

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蒼の戦姫ナキサ(プロフ) - 5262さん» コメントありがとうございます!励みになります! (2020年12月17日 11時) (レス) id: 9d3d6315a8 (このIDを非表示/違反報告)
5262(プロフ) - 初めましてコメント失礼致します。続きが楽しみです!大変だと思いますが更新頑張ってください、応援してます (2020年12月15日 17時) (レス) id: e1b40e07f2 (このIDを非表示/違反報告)
蒼の戦姫ナキサ(プロフ) - コメントありがとうございます!夜はいいですよね! (2020年12月7日 23時) (レス) id: 9d3d6315a8 (このIDを非表示/違反報告)
レイレイン - 夜が好きッ!?私と同じだ… (2020年12月7日 17時) (レス) id: 5a04a92c31 (このIDを非表示/違反報告)
蒼の戦姫ナキサ(プロフ) - yersk0402さん» ありがとうございます!!煉獄さんに会いたいですよね!!更新頑張ります! (2020年12月6日 20時) (レス) id: 9d3d6315a8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ナキサ | 作成日時:2020年11月28日 20時

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