92限目 ページ3
「次は僕から行くよ」
男はそうにこやかに言う。
気づいた時には男は目の前にいて。
私は腹を蹴り飛ばされていた。
＿＿＿＿＿いつの間に。
鈍い痛みに激しく咳き込む。
「あ、その顔すごくいい。苦しそうな顔。
でもまだまだいけるよね？」
『っ…！』
さっき蹴られた部分を踏みつけられる。痛い。
男を睨むが、逆に喜ばせてしまったようだ。
腹立つ。
その後も攻撃を防ぎきれずに、体は傷と痣だらけになっていく。
「んー殴る蹴るだけじゃあんま表情は変えないかー。スタンガンいってみよう」
『っ、ぁぁああｯ！』
「電圧弱めてあるから、たっぷり味わってよ」
電気の衝撃が脇腹に伝わって、痛い。
＿＿＿＿＿いたいのは、きらい。
にげたいな。どうすればいいかな。
そうだ。このおとこを、ころせば…
「A！」
名前を呼ぶ声にはっとした。
カルマくんの、声だ。
いま、私はこの男を殺そうと思った。
また同じ過ちを繰り返すところだった。
危なかった。
…よかった、気づけて。
『…』
「ん？」
私はゆっくり立ち上がる。痛みはあるけど、大丈夫。
殺さないで倒す方法。
鷹岡先生の時を思い出す。
動きを、止めればいいんだ。
作った笑顔くらいなら、この男にくれてやろう。頬を手で軽くつねってみる。笑えるかな？
にっこりと、口角をあげる。
男の顔を見上げた。
「っ！？」
目が合うと固まる男。隙ができた。
すかさず背後に回り銃を頭に突きつけた。
男は思い出したように抵抗しようとする。
『動くな』
そう言うと動きはピタリと止まった。
私が命令する側になるなんて。本当は嫌だけど。
また狙われるのは御免だから、仕方ない。
『貴方は2度と私に関わってはいけない。
近づくことも、殺すことも出来ない』
腕を伸ばして私の手を男の顔の前に持っていく。
そのまま、指を鳴らした。
パチンッ
男は膝から崩れ落ち、床に伏せる。
気絶していた。
相手の緊張感が高まった瞬間音を立てることで神経を麻痺させる。
ロヴロさんに教わった技だった。
クラスの皆の方を見れば安心したように喜んでいた。
「Aさん！このガラスの壁はその方が持っているスイッチで開くようです！」
律さんに言われ男の懐の中を探す。
スイッチを見つけて押せば、ガラスの壁が開いた。
『ごほっごほっ』
「A！」
『カルマ、くん』
傷に響かないようにか、優しく抱き締められる。
「生きてて、よかった」
彼の声に安心して、暖かい気持ちになった。
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みかん - 女の私が惚れるぐらい夢主ちゃんが可愛い…なかなかない代物ですよこれは…とてつもなくキュンキュンします🤦♀️更新待ってます🫡 (4月1日 2時) (
レス) @page14 id: fa46f83f13 (このIDを非表示/違反報告)
りるる - 更新待ってます (2022年8月29日 10時) (レス) @page14 id: c3325bc4c5 (このIDを非表示/違反報告)
ばたー - めっちゃ面白かったです！更新無理しないでください! (2022年8月3日 11時) (レス) @page14 id: 0921c4fed7 (このIDを非表示/違反報告)
くま - すごくどタイプの小説ありがとうございます!!ずっと悶えながら読ませて頂きました！更新頑張ってください！ (2022年8月2日 14時) (レス) @page14 id: f411827b0e (このIDを非表示/違反報告)
8hc - こちらの続きはないのでしょうか…(/；ω；＼) (2022年7月11日 8時) (レス) @page14 id: 5316ade6bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼の戦姫ナキサ
| 作成日時：2020年5月4日 21時
