綺麗事と欲 ページ9
私は磯貝君と帰っている。
本来なら、一人で帰るはずだったのだが、殺せんせーに私の思いが勘づかれていたのか、送っていくように磯貝君に言っていた。
「ご、ごめんね磯貝君！ 私と一緒に帰ることになって……」
「いや、俺もちょうど帰り道こっちだし大丈夫だよ」
そう言って優しそうに笑えば、私の心臓はきゅうと締め付けられる。
緊張して、何話せばいいか分からない。
手汗は止まらないし、指先が冷たい。
「Aって、思ってたより面白いよな。別世界から来たとか見え見えの嘘吐くくらいだし」
「あ、あれは別に嘘じゃ……！」
「俺も前に、そういうの憧れてた時期が少しあってさ。だから、Aの気持ちも分からなくはない！」
あぁ、好き。好き……。
こういうとこ、好きなんです。
優しいの、貴方は。
「磯貝君は嘘って思うかもしれないけどね、好きな人に会いたくておまじない？ やったら、この世界に来ちゃったんだ、私。その事を知ってるのは、私だけで、何が何だか……」
やれやれ、と私が首を横に振っていると、磯貝君は少し考え込んだ。
「もし、その話が本当なら、Aの好きなやつは椚ヶ丘にいるのか？」
「えっ、うん！ 結婚したいくらい好きな人がいるよ！」
その人からすれば、私は今日会ったばかりの変な人なんだけれども。
「……俺は好きな人とか、まだ実感無いからそういうの羨ましいよ。」
「磯貝君も、きっとそういう人が現れるよ！ この人と一生を終えたいって思える人、見つかるといいね！」
私がそう言うと、磯貝君は笑顔で「そうだな！」と言った。
でも、今はこんな綺麗事言ってるけれど、本当は磯貝君の好きな人が私になったらいいなとか思ってる。
そんな、ぐちゃぐちゃな感情なんて、磯貝君は知らなくていいんだよ。
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詩帆(プロフ) - 凄く素晴らしい作品！なんで順位ついてないの･･･？ (2021年7月13日 17時) (
レス) id: 46695abdda (このIDを非表示/違反報告)
コノハナサクヤ(プロフ) - 美桜さん» ありがとうございます！頑張らせていただきます！ (2019年1月27日 23時) (レス) id: d9d1b0d776 (このIDを非表示/違反報告)
美桜 - おおおおおもしいです！更新頑張ってください！ (2019年1月27日 20時) (レス) id: d73a6f0aa2 (このIDを非表示/違反報告)
コノハナサクヤ(プロフ) - 白木里沙さん» ありがとうございます！更新頑張ります！ (2019年1月25日 23時) (レス) id: d9d1b0d776 (このIDを非表示/違反報告)
白木里沙(プロフ) - んほんほんほほ（なんやこいつ） 新作ですね!!! いやー、一気に見てしまいます…！ 面白くて…続きが気になりすぎます…！ 更新、がんばってくだせぇ!!兄貴ィ!! (2019年1月24日 21時) (レス) id: 69bdcdfefa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：コノハナサクヤ | 作成日時：2019年1月15日 23時
