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「Aって真一郎のどこが好きなの？」
『え』
「だって真一郎は喧嘩弱いし女に振られてばっかだったし」
『おまけに趣味悪いしカッコ悪いしね』
「…で、真一郎のことほんとに好きなのか？」
和菓子屋さんでどら焼きを何個か買った後、夜ご飯食べようとファミレスに来た私たち。
めっちゃ嫌な顔されたけど無理矢理連れてきた。
一通りご飯を食べ終えてジュースを飲みながらそう私に聞いてくる万次郎。
急な質問に私は少し頭を悩ませた。
そしてしばらく考えた結果、私はへらりと笑って万次郎に言った。
『んー、わかんない』
「は？」
『なんか、何処が好きとかって考えたことなかったなぁ。よく考えたらいい所ほとんどないじゃんね』
「…それほんとに好きって言うのかよ」
そんな私の答えに眉を顰めながらそう言う万次郎。
まぁ、そんな顔になるよな。
なんて思いながらも私は再び口を開く。
『でもね、ほんとにぜーんぶ好きなんだぁ』
「…ふーん」
『ここだけの話、真一郎が私のこと好きになってくれるもっと前から真一郎のこと好きだったんだ』
「は、まじで？」
『うん、お恥ずかしい話そうなんです』
そう考えたら、すごいよね。
長い間片想いなんかしてたらそのうち冷めちゃう気がするのに、それでもなおずっと真一郎のこと好きだったんだもんな。
思い出したら少しおかしくてふふっと笑う。
「もし真一郎浮気したらどうすんの？」
『なんて怖い質問をするんだ』
「もしもの話だろ」
『んー、そんときは…』
私はそこまで言って拳を握り前にグッと出す。
そんな私の急な行動に万次郎は一瞬驚いた顔をする。
『私が真一郎ぶん殴る！』
「…女の方じゃねーのかよ」
『うん！真一郎をぶん殴る！』
私が自信満々にそういえば万次郎は珍しく笑った。
そんな面白かったか？
真一郎殴るって話。
「シンイチローに言っとこ〜」
『ちょ、それだけは勘弁』
それから数十分後に店を出た私たち。
家に帰ったら不機嫌そうな顔で私たちを待つ真一郎が居た。
今度デート行こうね、なんて言えばすぐに機嫌が良くなる真一郎。
うん、相変わらずちょろいですね。
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らいむ - 悲しい・・・でもとてもいい話ですごい感動しました。涙腺がぶっ壊れました。ありがとうございました！ (2023年1月6日 20時) (
レス) @page26 id: 7852438752 (このIDを非表示/違反報告)
箔月 - 涙が止まらない…それくらい感動しました (2022年1月31日 22時) (レス) @page26 id: c0f79eeeaa (このIDを非表示/違反報告)
奏(プロフ) - 最後の話読んだときまぢで涙止まりませんでした。悲しい夢オチ…｡:ﾟ(;´∩`;)ﾟ:｡ (2021年12月29日 19時) (レス) @page26 id: b29aa485ac (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - 水無月さん» 最後の話すごい考えました笑素敵だなんて嬉しいです！ありがとうございます！ (2021年9月20日 12時) (レス) id: d7231c8dfb (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - 花蘭さん» 前作からありがとうございます！そんなに読んでもらえてるなんて嬉しいです！ (2021年9月20日 12時) (レス) id: d7231c8dfb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みや
| 作成日時：2021年9月4日 23時
