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『ん…』
目が覚めた。
あたりはまだ暗い。
時刻を見れば0時を回っている。
いつの間にか眠っていたのか。
ここは寝室ではなくリビング。
周りを見渡せば片付けられていない机にまだ飾られたままの装飾。
隣には真一郎の寝顔。
…なんてものはひとつもない。
いつも通りのシンプルで色のない部屋。
なんとなく起き上がり部屋の中を歩いていれば棚の上に飾ってあるものが目についた。
2人で馬鹿みたいに笑っている写真といつかの指輪。
そして、真一郎が書いたメモ。
どうやら、長い夢を見ていたらしい。
『…夢にまで出てこないでよ』
そう、小さく呟いて写真の真一郎を撫でる。
写真の中の真一郎はやっぱり笑ったままで。
涙が頬を伝ったが、構わずにただその写真を見つめる。
“会いたくなったら、また来いよ”って。
“夢の中ならいつでも会いにきてやる、だから泣くな”って。
真一郎がそう言ってる気がした。
いつになっても、真一郎は私から離れてくれない。
いや、私が離れられないだけなのかな。
『真一郎…私ね、幸せだよ』
“そうか”
『1人でもね…全然平気だから』
“ひとりじゃねーよ”
『…じゃあ、置いてかないでよ…、真一郎いないと、わたし…っ、』
“何言ってんだ、俺はいつもお前の隣に居る。ばっかじゃねーの”
声が聞こえたわけじゃない。
だけど、真一郎はきっとそう言ってる。
笑いながら、私の頭をぐしゃぐしゃに撫でるんだろう。
真一郎がいなくなって、真一郎のことを忘れた日は1度もない。
心細くなって、辛いこともある。
真一郎がいてくれたら、なんてしょっちゅう考える。
…だけど、それでも頑張れるのは。
きっと、真一郎が側にいてくれるからなんだよね。
目に見えるわけじゃないけど、
ずっと近くに居てくれる気がする。
真一郎、私のこと、好きすぎだよ。
『…大好き、真一郎』
この声も、きっと届いてるかな。
__________キミが居る世界.Fin
終わり
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らいむ - 悲しい・・・でもとてもいい話ですごい感動しました。涙腺がぶっ壊れました。ありがとうございました！ (2023年1月6日 20時) (
レス) @page26 id: 7852438752 (このIDを非表示/違反報告)
箔月 - 涙が止まらない…それくらい感動しました (2022年1月31日 22時) (レス) @page26 id: c0f79eeeaa (このIDを非表示/違反報告)
奏(プロフ) - 最後の話読んだときまぢで涙止まりませんでした。悲しい夢オチ…｡:ﾟ(;´∩`;)ﾟ:｡ (2021年12月29日 19時) (レス) @page26 id: b29aa485ac (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - 水無月さん» 最後の話すごい考えました笑素敵だなんて嬉しいです！ありがとうございます！ (2021年9月20日 12時) (レス) id: d7231c8dfb (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - 花蘭さん» 前作からありがとうございます！そんなに読んでもらえてるなんて嬉しいです！ (2021年9月20日 12時) (レス) id: d7231c8dfb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みや
| 作成日時：2021年9月4日 23時
