15 ページ15
しばらく無言の時間が続く。
すごく気まずいんだけど私から話しかけるべきではないと思ったから黙っていれば、真一郎が痺れを切らしたように口を開いた。
「何してた？アイツと」
『あいつって…花火見てきただけ』
「なんで俺じゃねーの」
『…別によくない？』
元はといえば真一郎が悪い。
だって真一郎と喧嘩しなければ今日だって真一郎連れて行ってたはずだもん。
それに喧嘩の原因だって…ね。
全く反省の色を見せない私に真一郎はさっきよりさらに顔を顰める。
なんやねんその目は、潰すぞ。
『別に何も悪いことしてないじゃん、何が不満？』
「何がって…自分の女が他の男と一緒とかいい気分しねぇに決まってるだろ」
『…そんなの知らない』
いい気分しないって、嫉妬ということだろうか。
そう言われちゃうとなんて言えばいいか分からなくてそんなことをボソッと呟いた。
そんな私を見て真一郎ははぁ、と1回大きいため息を吐くと私の腰に手を回しグッと自分の方に引き寄せた。
急な事に少しバランスを崩したがそれは真一郎によって支えられる。
『なに…っ、』
「お前わかってる？俺だって余裕ねーんだよ」
『余裕って…んんっ！』
そのうちに後頭部に手が回され、そのまま顔が近付いたかと思うと唇が押し付けられる。
離れたかと思えば角度を変えてまたすぐにキスをされた。
嫌だ、と言うように真一郎の胸を軽く叩くが離れてくれることはない。
そればかりか口内に舌をねじ込んできやがった。
『んん〜、！もっ…やめて！』
そのうちに私も正気に戻り真一郎の肩に手を置いて思いっきり押す。
しばらくあまり抵抗していなかったからか真一郎は押さえることまで考えていなかったようで思ったより簡単に退かせられた。
離れると自分の口元をぺろりと舐めて私を見る真一郎。
そんな真一郎がかっこいいと思ってしまう私がいるもんだから嫌になる。
「ばーか、俺怒らしたらこうなるからな」
『なっ…だからそれは真一郎が…』
「なにまだ言う？それ以上言うならここで襲う」
『ゴメンナサイ』
「それはそれで切ねぇ」
それは流石に勘弁、と思った私は素直にそう謝る。
うんうん、力じゃ勝てないんだからこう言うしかないよね、私利口。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1088人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
らいむ - 悲しい・・・でもとてもいい話ですごい感動しました。涙腺がぶっ壊れました。ありがとうございました！ (2023年1月6日 20時) (
レス) @page26 id: 7852438752 (このIDを非表示/違反報告)
箔月 - 涙が止まらない…それくらい感動しました (2022年1月31日 22時) (レス) @page26 id: c0f79eeeaa (このIDを非表示/違反報告)
奏(プロフ) - 最後の話読んだときまぢで涙止まりませんでした。悲しい夢オチ…｡:ﾟ(;´∩`;)ﾟ:｡ (2021年12月29日 19時) (レス) @page26 id: b29aa485ac (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - 水無月さん» 最後の話すごい考えました笑素敵だなんて嬉しいです！ありがとうございます！ (2021年9月20日 12時) (レス) id: d7231c8dfb (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - 花蘭さん» 前作からありがとうございます！そんなに読んでもらえてるなんて嬉しいです！ (2021年9月20日 12時) (レス) id: d7231c8dfb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みや
| 作成日時：2021年9月4日 23時
