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「…なに場地さんのこと連れ出してんだよ」


『え、ごめ…』


「千冬ぅ、連れ出したのは俺の方だからあんまA責めんな」


「場地さん、」




千冬は場地の名前を言ったかと思うと私の腕を掴んだ。

ちょうど場地の髪の毛縛り終えたところだからよかったけど。



それから掴んだ私の腕を引っ張り出入り口の方に連れて行かれる。




『ちょ、千冬っ、』


「なに」


『いやこっちが何なんだけど…』





そして出入り口付近に到達した時に千冬は私の腕を掴む手を緩め、くるりと場地の方を振り返る。




「場地さん、コイツ俺のなんで渡せませんよ」


『え、何言って…』


「良いから行くぞ」




千冬はそうとだけ言うと、再び私の腕を引っ張る。


場地の顔は、見えなかった。

あーあ、どうせならもっと場地とゆっくりしたかった。

















そのまま千冬に連れてこられたのは使っていない空き教室。

人目にもつかないところで、私もこんなところがあるなんて初めて知った。





『…授業戻るんじゃないの?』


「今更」


『……』



千冬の返答に何も言い返せない。


だからと言って此処でやることもないし…なんて頭の中で考えながら近くの机に腰を下ろす。

椅子じゃなくて机ね、ここ重要。





「おい」


『え』



千冬がいつもより低い声でそう言った時だった。



急に私の座っている机に前から手をつき、距離が一気に近づく。


壁ドンならぬ、机ドン?女子が憧れるやつじゃない?

って今はそんな状況じゃない。





「自覚、足りねーの?」


『え、なんの自覚…』


「…俺のっていう自覚」


『千冬の…?何言って、』




千冬の言ってる意味がわからなくて聞こうとした時だった。


千冬はそのまま私に顔を近づけて首元に顔を埋める。

髪からは場地の香水の匂いとは違う、シャンプーの優しく匂いが香る。



何事?なんて戸惑っていれば首元にちくりと軽い痛みがした。





『ち、ふゆ、痛い…』


「うるせぇ」




思わず千冬の肩に手を置き身体を押そうとするがびくりともしない。

そうこうしてるうちにもまた別の場所に痛みが走り、思わず顔を歪めた。




私たちは、授業をサボって何をしてるんだろう。

なんで、こうなってるの?

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みや(プロフ) - にるさん» そんな風に感じながら読んでもらえてすごく嬉しいです!ありがとうございます! (2021年9月3日 23時) (レス) id: d7231c8dfb (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - まちゃさん» ぜんぶ嬉しいお言葉ばかりで泣きそうです…!ありがとうございました! (2021年9月3日 23時) (レス) id: d7231c8dfb (このIDを非表示/違反報告)
にる(プロフ) - 読み始めた頃は物語がどんな感じで進んでいくのか予想がつかなかったのですごく面白かったです!新作も楽しみにしてます!! (2021年9月3日 11時) (レス) id: 1dc1023941 (このIDを非表示/違反報告)
まちゃ(プロフ) - 終始きゅんきゅんしながら見てました; ;タイトルからして面白そうだなと思っていて、いつも通知が来る度喜んでました笑。夢主の性格もThe女の子という雰囲気がないところが好きです!次回作も楽しみにしてます! (2021年9月3日 9時) (レス) id: 9bf8242341 (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - 無気力に自信が有る人さん» 場地さんにはどっちでもいけるポジションでいてほしかったです()ありがとうございました! (2021年9月3日 2時) (レス) id: d7231c8dfb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みや | 作成日時:2021年8月25日 0時

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