浮気性【三途春千夜】

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「春千夜、今日うちママいないんだ〜」

「なに？家でぶち犯 されてぇの？」

「そうは言ってないもんっ」

「上等じゃねーか。腰どうなってもしらねぇぞ」

「やだもう〜！」




うーん、どう言う状況だろうか。


ある日、また見てしまった春ちゃんの浮気現場。

声だけ聞いたら前と同じだが、何かが違う。





『あの人…この前の女性じゃない…』




なにが違うのかと言えば、今私が呟いたとうり。

前春ちゃんが一緒にいたのは綺麗な大人な女性だったが、今回は可愛らしい女の子だ。


…って考えると。





『浮気相手は1人じゃない…か、』

「浮気ってなに」

『ぎゃあ！』

「なんだよぎゃあって可愛くねぇ」

『り、り、竜胆！急に出て来ないでよ！』





1人探偵のようにポーズを取りながらそう言えば耳元で声が聞こえた。

急だった事と、思ったより声が近かった事に驚いて思いっきり振り向けばそこには竜胆の姿。


急に出てくるのだけはほんとやめてほしい。

心臓飛び出るかと思った。





『…って可愛くないって何？！』

「それよりこれから家行ってい？」

『だ、だめ！』

「三途いねぇんだろ？さっき呟いてた話詳しく聞かせろ」

『え、えぇ…』





不覚。

ちゃんと周りを確認しとくべきだった。



なんて後悔しても遅くて、すでに私の腕を引いてズカズカと家に向かう竜胆。

自分の家ではなく私の家と言うことは、2人になれるところって意味で気を遣ってくれたんだろうか。






『ねぇ竜胆』

「なに」

『髪の毛クラゲみたい』

「……」

『ごめんなさい嘘です腕痛いです』

「…次言ったらこの細い腕へし折る」





ぼーっと考えたことを言ってみれば腕を掴む手の力を思いっきり強められた。


折れそう。

そう思ってすぐ謝れば力を緩めながらそう言われた。






『ねー、竜胆』

「次はなんだよ」

『今日…帰らないでよ』

「…バーカ、三途に殺されるわ」

『意地悪』




竜胆が一緒だからこうやってバカ言ってられるけど、1人になったら絶対に泣いてしまそうな気がする。

泣いたら負けなのに。



負けって、別になにかと戦っているわけではないけど。

それでもやっぱり悔しい。


春ちゃんはなんで、浮気してるんだろう。

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