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あれからどれくらい経っただろう。



ゆっくり歩き過ぎて普通なら15分で着く道なのに、30分たった今でも家につかない。






流石にかかりすぎか、そう思った時だった。






「ねぇちゃんこんな夜に1人でなにしてんの?」




柄の悪い不良が私を見て笑う。


お酒が入っているのか、ふらふらしている。







『…仕事帰りです』


「嘘着くなよ、そんな服装じゃねぇだろ」


『……』


「暇だろ?俺と一緒に遊ぼうぜ」





私の嘘なんか一瞬で見破られ、そう言いながら私に触れてくる不良。



怖い、どうしよう。

そう思って目を固く瞑った時だった。







「人の女に手出してんじゃねぇよ」




その言葉に、その声に私は思いっきり顔をあげる。







『万次郎、?』



私のその言葉にその人の瞳が微かに揺れた。








あの時より遥かに背が高く、

髪も真っ黒に染まっていて短くなっている。



見た目は全然違うのに、その声も表情も全然変わっていない。


大好きな、万次郎のまま。







それからなにが起こったのか、理解できなかった。



一瞬で私に触れていた不良は遠くへ吹っ飛び、気づけば私は万次郎に抱きしめれていた。








「会いたかった」



耳元で微かにそう呟く万次郎。





その声が今にも消えてしまいそうで。



あの時より、痩せた体を私はぎゅっと抱きしめた。







嬉しい、もちろんそんな気持ちが私の中でいっぱいだった。



でも、感情はそれだけじゃない。


なんで、なんで万次郎が今になって私の目の前にいるのか。







今の万次郎とは、さよならをしたはずだった。




あの時の記憶が私の頭の中を巡る。







“オマエとはこれで最後”


思い出すのは、そう言ってベッドの上で口付けを落とす、裸の万次郎と、私。

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沙耶(プロフ) - ハッピーエンドで安心しました!作者さんありがとう♡ (2022年6月21日 19時) (レス) @page30 id: 5943b8e857 (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - 苺ミルク飴さん» ありがとうございました!マイキーには独占欲強めでいて欲しいと言う勝手な願望です笑別作の方も是非お願いします! (2021年8月15日 1時) (レス) id: d7231c8dfb (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - ピッキーさん» ありがとうございました!内容薄すぎる作品になっちゃいましたがそんな風に言ってもらえてすごく嬉しいです! (2021年8月15日 0時) (レス) id: d7231c8dfb (このIDを非表示/違反報告)
苺ミルク飴(プロフ) - 完結おめでとうございます!すごく面白かったです!!マイキーの独占欲がすごくて読むたびニヤニヤしてました笑夢主ちゃんもとても可愛くて、読んでいてすごく楽しかったです!別作の方の更新頑張ってください!応援してます! (2021年8月14日 23時) (レス) id: 976df8db05 (このIDを非表示/違反報告)
ピッキー(プロフ) - 最後まで、読ませていただきました!とっても、面白かったしハッピーエンドで終わって本当に良かったなぁと思いました!ありがとうございます! (2021年8月14日 20時) (レス) id: 277d56b499 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みや | 作成日時:2021年8月7日 21時

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