俺のモノ【佐野万次郎】

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さて、問題はここから。



喧嘩なんて出来ないししたこともない。





奇跡が起きない限り勝つなんてこと無理だろう。






そんな私に不良たちはだんだん近づく。




ジリジリと後退りをしていたが、ついに壁まで追い詰められてしまった。








「あーあ、もう逃げられないね」


「大人しく俺らに犯 されたら？」





そう楽しそうに笑う不良ら。








隙を見て逃げようとしたが、簡単に捕まってしまった。



掴まれた腕が痛い。


1人の不良が私の肩を抱きながらシャツのボタンを外し始めた。







「いいねぇ、いいカラダしてる」



そう言いながら次々に身体に触れる。





気持ち悪い、怖い。







『万次郎…！』



無意識なのか、そう呟いた瞬間。





目の前の不良たちが倒れていき、私に触れていた不良も遠くへ吹き飛んだ。








そして代わりに、大好きな匂い包まれる。





「おいてめェら、誰の女に手出してんだ？」


『まんじろ、』







私の肩を抱きながら不良らを睨みつける万次郎。



まるで、私の“ヒーロー”だね。








「くそが…コソコソしてやがったのか」


「コソコソ？てめぇらがAに夢中すぎて俺に気づかなかったんだろうが」







そう言ったかと思うと、私から離れて次々に立ち上がる不良らを倒していく。


私の目におえない速さで。





そんな万次郎の姿を見ていた時、後ろから叫び声が聞こえた。







「この女！殺 してやる！」



振り返るとそこには硬そうな鉄パイプを持って私に振りかぶる不良の1人。








「A！」



また、万次郎が私を呼ぶ声。





避けられない、そう思ってぎゅっと目を瞑り、痛みを待つ。


しかし、いつになってもその痛みも衝撃さえも来ない。




恐る恐る目を開けると、そこには片手でそれを掴む龍くんの姿があった。







「ったく、勝手に行動してんじゃねぇよ」


『龍くん…』





唖然としていると、ぞろぞろと入ってくる東卍のみんな。








「うっわ、マイキーお前1人でこの量やったのかよ。えげつねぇな」


万次郎が倒した数の不良に驚く場地。




「A、大丈夫か？」


心配そうな顔をしながらも、どこか怒っているような三ツ谷くん。




「これ終わったらメシ行こうぜー」


何故か馬鹿丸出しのパーくん。




他にもみんなが来てくれた。







「おめぇら…こいつら全員潰すぞ！」




万次郎のその言葉に、みんなは一斉に声を上げ、不良らを倒し始めた。

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