東京卍會の姉貴

エマ.ヒナ▽ ページ21

『…はあ？』



思わず叩いてきた子を睨む。

武道とコンビニ帰りに歩いていたら、突然可愛い女の子に頬をぶっ叩かれた。

意味わかんない、ドラケンもびっくりしてるし。



エ｢ちょ、ヒナ！落ち着いて！｣



また可愛い子が続いて出てくる。

この子の知り合いらしい。



『何？アンタら誰？』

エ｢え、と｣

日｢タケミチくんの彼女です｣

龍｢あ？エマ？｣

花｢ヒナ！何してんの？！｣



何この状況。

私を叩いた子がヒナ、もう1人がエマ。

それは分かったけど。



『…武道の彼女？』

日｢人の彼氏奪るなんて最低です！タケミチくんも浮気とか不潔！｣

花｢何？！なにコレ？！｣

『は？浮気？』



分かんないけど、つまりどういうこと。



龍｢…ぷっ、はははは！そういうことかよ！｣

『笑ってねえで説明しろ』

エ｢ねえドラケンどういうこと？！｣



いち早く状況を理解したらしいドラケンが1人で笑い出す。

何がそんなに面白いんだよ。



龍｢A、この子タケミっちの彼女｣

『で？』

龍｢これマイキーの妹のエマ｣

『へえ』

龍｢お前はタケミっちの何？｣

『姉』

日｢………え？｣



シーンと静寂が広がる。

そして次の瞬間、目の前から彼女ちゃんが消えた。





『…なるほどね』



その後一通り説明と謝罪を頂いた。

私が武道と浮気してるって疑われてたらしい。

だからって何故私を叩く。



日｢本っ当にごめんなさい！｣

『いいけど何で私を叩いたの？普通武道じゃない？』

日｢…まだ浮気って確信できなくて、その｣

『信頼してんだね』



顔を赤くしながら俯いた。

何それ。

ムカつくのに可愛すぎて許さざるを得ない。



『はー…』

日｢…本当にすみません何でもするので…｣

『何でも…じゃあ今日から私の妹ね』

日｢へっ？｣

『ヒナって呼ぶね。エマちゃんも呼び捨ていいかな』

エ｢あ、ハイ！｣



よし決まり、と言うとヒナは不思議そうな顔。

どういうこと？って顔。



『武道の彼女なんでしょ？実質妹じゃん』

花｢姉ちゃん気が早い！｣

『マイキーも一応弟だし、エマも今日から妹ね』

龍｢自由すぎんだろ｣

『姉ちゃんは何でも許すもんなのよ』



何？許してほしくないの？と言うといえ！とヒナが否定した。

良い子ね、それでいいんだよ。



日｢…かっこいい…｣

エ｢分かる…｣

龍｢そういうやつだよアイツは｣



立ち去る背でそんな風に言われていたなんて知らないけど。

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