東京卍會の姉貴

エマ.ヒナ ページ20

エマside


日｢最近タケミチくんが浮気してる気がするの｣



ある日、ヒナに突然告白された。

今日は休日で、ヒナと2人でおでかけしていた。

前日から誘われていたので、ヒナからなんて珍しい、と思っていた時のことだった。



『…勘違いじゃない？』



まず思ったのは勘違い。

タケミっちは1度私の誘いに乗ってきたことがあるけど今は反省してヒナ一筋になってるはず。

あのタケミっちが浮気なんて器用なマネ出来るとも思わないし。



日｢違うの！…証拠が、あるの｣

『証拠って』



ヒナが顔を顰めながらポツポツと話し始めたのは、浮気を確信づけるものだった。



日｢…学校に行くのにね、タケミチくん誘って行こうと思って、通学路で待ってたの｣

『うん』

日｢そ、そしたら、女の人と…西二の制服の、一緒に歩いてきてて｣

『西二…って高校生じゃん！』

日｢エマちゃん、ヒナもう勝ち目ないよぉ…年上で黒髪の、可愛い女の人なんて…うぅ…｣



なんてやつだ花垣武道。

あいつ、モテるんだ。

いや、今はそんなことを言ってる場合じゃない。

一刻も早くタケミっちを問い詰めないと。



『よしよし辛いね。絶対ウチが吐かせてやるからね』

日｢うん…｣



可愛いヒナを泣かせたこと後悔させてやるからね、タケミっち。


それから私たちは調査を始めた。

マイキーたちに協力してもらうか迷ったけど、タケミっちに伝わって拗れたら有耶無耶になるかもしれない。

そんなの嫌だから、ウチらだけで。



『ヒナ、タケミっちいる』



そして今いるのはとある小道。

呑気そうに歩くタケミっちの隣には例の女の人。

仲が良さそうだった。



日｢あの人…｣

『間違いないのね？…乗り込むよ』

日｢えっちょっと待って｣

『躊躇ってたら変わんないよ！』



タケミっち問い詰めたいんじゃないの、とヒナに発破をかけるがまだ乗り気じゃなさそう。

確信に変わるのが怖いんだ。



『ヒナ』

日｢…うん、行こう｣

『…よし！』



ヒナの覚悟も決まったらしい。

そして2人で突撃しようとしたその時だった。



龍｢よおタケミっち、A｣



ドラケンが2人に声をかけた。


今、名前呼んだ？



龍｢お前ら何やってんの｣

｢散歩。ドラケンは？｣

龍｢仲良しかよ。俺はマイキーのパシリ｣



何でドラケンとも知り合い？

公認ってこと？


ぐるぐると迷っていると突然ヒナが1人で乗り込み、





なんと音高らかに、女の人の頬を叩いた。







『…えっ』

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