東京卍會の姉貴

姉になった日 ページ4

『…何か用でしょうか』

龍｢んな縮こまんなよ姉ちゃん｣

『あんたの姉ちゃんになった覚えはない』



私を呼び出したのは龍宮寺堅。

ドラケンって呼ばれてるらしい。

私は何て呼んだらいいんだろう。

普通に龍宮寺でいいのかな。



『龍宮寺、くん？どこ行』

龍｢ドラケン｣

『…ドラケン、どこ行くの』

龍｢まァ乗れ｣



そう言ってぱっと見せられたのは、なんとバイク。

しかもイカついやつ。



『私無免だから乗れないよ』

龍｢何でお前が運転すんだよ｣

『…待って？2ケツってこと？ドラケンが運転すんの？』

龍｢俺以外誰がいんだ｣



こいつ馬鹿なんじゃないの。

中学生だろ、お前。

バイクなんか乗ってんじゃねーよ馬鹿。





『…ガチで…死ぬかと思った…』



その後無理やりヘルメットを被せられ、後ろに乗らされた。

人が乗ってるってのに結構なスピードで走るから、叫びながらしがみついた。

人生最悪の日が2日続くとかあってたまるか。



佐｢やっと来たなケンチン、A｣

龍｢人遣い荒いんだよテメーは｣

『何の用？学校サボって来てんだけど』

佐｢んー？別に｣

『は？』



何も無いのにこのクソ静かな神社に呼んだっての？

一回殴んないと分からないのかな。



佐｢お前タケミっちの姉ちゃんなんでしょ。俺の姉ちゃんにもなってよ｣

『戸籍いじれとかそういう話なら断る』

龍｢大胆すぎるわ｣



武道の姉ちゃんだったら俺の姉ちゃんにもなってっていよいよ頭沸いてんのかしら。

そろそろ帰りたい。



『帰りたい』

龍｢出てんぞ口に｣

佐｢帰りたい？送ってあげよーか、俺弟だもんね｣

『…そういう…うん、もうそれでいいよ…』



佐野万次郎のイカレっぷりにはついていけない。


開始約3分で姉になるならないの抗争は終わった。

あまりに呆気無かった。


しかし私が認めるとなんとも嬉しそうに顔をぱっと明るくする彼。

そういうところだけは本当の中学生みたい。

こいつの姉、もしかしたら悪くない？

いや良くもないか。



佐｢ってことだ。お前ら聞いた？｣

『は？』



鳥居の手前に居た佐野は突然後ろに向かって声を張った。

するとぞろぞろと出てきたのは東京卍會の特服を着た数人の男たちと武道。



佐｢俺の姉貴は東卍の姉貴。ってことだから、今日から俺らの姉ちゃんね｣

場｢集会ってこんだけ…まあいいぜ。よろしくな、オネーチャン｣

『ちょ、ま』



その日から、私の不良とのほのぼの(？)日常が始まる。

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