東京卍會の姉貴

姉ということ1 ページ11

花｢姉ちゃん、最近三ツ谷くんとなんかあった？｣



とある日の昼下がり。

家のソファでだらしなく寝転がる私に武道が問いかけた。



『隆？別に何も無いけど』

花｢三ツ谷くんたまにボーッとしてる時あんだよ。姉ちゃんと一緒に帰って来た次の日くらいから｣

『…そういや最近顔見てねえな』

花｢まあほんとたまにだし、覚えがねえなら関係ないんだろうけどさ｣



気になっただけ、と手の携帯に視線を戻してニヤけだす。

彼女ちゃんからのメールらしくて、ずっとニヤニヤしながら見てる。

はよ返信せえばかもん。



『お菓子買ってくる』

花｢うい｣



近所のスーパーにお菓子を買いに出かけた。

何てことはない、ただお腹が空いただけ。

スーパーでは私が好きなやつ、武道が好きなやつ、東卍の彼らが食べそうな大袋のやつ。

それぞれを無意識にかごに入れていた。



『ちょっと買いすぎ…まいっか』



袋を片手にだらだらと帰路に着く。

その時、裏手の駐車場から何か声が聞こえた。

チラッと流し見ると、一瞬映ったのはドラケンの顔。

喧嘩だとすぐに分かった。


…そういえば、私あいつらの喧嘩生で見たことない。


野次馬根性上等。

バレないよう遠回りしながら、近くで彼らが見えるところへ行った。



『あれ、隆もいるじゃん』



どこの誰か知らないけどお疲れ様。

そいつらには多分勝てないよ。



三｢…っし、完了｣

龍｢オウ、ただの雑魚だったな｣



予想通り、秒殺。

2対5だったけど、あっさり勝っちゃった。

そのまま彼らははけるのかと思ったが、どうやらまだここに居るつもりらしい。

話し声が聞こえた。



龍｢お前最近どしたの。イマイチ気合い入ってねーぞ｣

三｢…お前にもバレてら。何でもねー。ちょっと考え事があンだ｣

龍｢そーかよ｣



程々にしろよ、とドラケンが隆に背を向けた。


その時だった。


ぬらりと隆の背後に誰かが立ち上がった。

さっき隆たちが倒してたやつだ。

右手は拳を作っていて、振りかぶっている。


ドラケンも、隆も気づいてない。




考える前に体が動いた。


私は荷物を放って自慢の瞬発力で走り出し、隆とその男の間に立った。

両腕を広げて立ちはだかった。



あの出会いの日、武道とマイキーの間に立った時みたいに。



1秒と経たぬうちに拳は振り下ろされる。

私の左頬から、嫌な音が響いた。




三｢………は？｣

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