【短編集】誰かと甘いひとときを2【仮面ライダー・戦隊】

〇続、滅亡迅雷のオキニイリ【K/迅・滅】 ページ1

すももさん、リクエストありがとうございます！






その日は、雨だった。
莉乃は元から偏頭痛持ちで、天気の悪い日はめっぽう具合が悪い。

「ぁー…頭痛い…。」
「莉乃、大丈夫？」
「人間は大変だな。天候ごときで体調が変わるとは。」

いつものようにデイブレイクタウンの地下で、迅や滅と会話を交わす。

「ほんとだよ〜…頭痛い…。」
「莉乃も僕たちみたいにヒューマギアだったら楽なのにね！」

迅がニコニコしながらそう言った。

「ヒューマギア、だったら…？」
「？莉乃〜？」

莉乃は迅の発言に、深く考え込んでいる。対して迅は、なにかまずいことを言ったかとオロオロしていた。

「…ねぇ、滅。私を、ヒューマギアにできる？」
「…できると言ったらどうする。」

莉乃はばっと立ち上がって滅へ詰め寄った。

「それなら、私はヒューマギアになりたい！ずっとずっと2人と一緒にいられるし、もっと色んなことができるようになるから！」

莉乃の目は輝いている。恐ろしいほどに。

「でも滅…人間をヒューマギアにする手術って、だいぶ苦しいんでしょ…？」
「迅の言う通りだ。それでもやるのか？」

2人の心配を他所に莉乃は一切迷わなかった。

「どんな痛い手術でも耐えてみせるもん！お願い、私をヒューマギアにして！」






数ヶ月後。

「イズ、今日の仕事は？」
「本日は、午後2時よりお得意様へご挨拶に伺います。」

或人は、わかったと欠伸混じりに返して、社長デスクに腰掛けた。

「お聞きにならないのですね。」
「…聞くのが、怖いんだよ。最近は。」

或人はイズを見ずに、ぼそりと呟いた。イズもそれ以上なにも言わなかった。

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