嗤ってくれるだろうか ページ32
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「 実は…私にも見られたくないものがあるんです。…
白瀬さんみたいに、深刻なものではない…のですけど、でも…本当に…」
『 佐倉さんさ、僕みたいに深刻なものじゃないっていうけど。佐倉さんにとっては
それはとっても、見られたくないものなんでしょう？…誰かと比べるだなんてこと、
しちゃだめだよ。」
真剣な顔でいうと、彼女は目に涙をためた。
「 っ…っはい、 」
『 もしよかったら、敬語で話すのやめない？
それに、もしよかったら下の名前で呼んでほしいな。』
「 …はい、わかりました。… あ、うん…わかった…。」
きづけばあたりは夕日が沈みそうで。
その時ちょうど、佐倉さんの携帯が鳴った。
スマホのディスプレイに表示された名前は「 櫛田 桔梗 」
スマホを見ると、彼女はとてもつらそうな顔をしていた。
『 大丈夫？、もしかして、櫛田さんとなんかあった？ 』
「 いえ、そういうわけじゃない、んだけど… 」
『 ぁ！もしよかったらさ、連絡先交換しない！？ 』
「 え…、？ 」
『 だ、だって僕たちもうトモダチだよね…？ 』
俯きながら、そういうと佐倉さんは焦った顔をして、
「 う、うん！大丈夫だよ…！交換しよう！ 」
そう答えてもらえた。
夕日が沈みそうな頃
『 今日はもう遅いし、また明日よかったら話そうか！ 』
「 …！うん… 」
そう言って僕たちは、寮へ帰った。
トモダチ…、同情を武器にして、なるトモダチ。
彼女が本当に僕のことをトモダチ思ってくれているかは別だが、
いつか彼女は僕を、嗤ってくれるだろうか＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿？
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作者名：匿名希望 | 作成日時：2022年10月10日 23時
