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「 ごめんね、綾小路くん。私のせいで堀北さんに嫌われるようなことさせちゃって...。」
落ち込んだ、表情をして、櫛田さんは綾小路くんに謝る。
「Aちゃんも、せっかく来てくれたのにごめんね。」
「『構わない。/大丈夫だよ。』」
「友達には、なれないのかな...。」
結局、3人で帰宅することになった。
「クラスの子と仲良くなれないんじゃ、程遠いかなあ。」
『そんなことないよ、いつかきっと仲良くなれるって。』
お互いがそう思えば。だけれどね。
「あ..!一ノ瀬さんだ!」
前から可愛らしい女子生徒2人が歩いてくる。
「あ〜っ、櫛田ちゃんじゃん!この後さ、少し頼みたいことあるんだけど、お願いしてもいいかなぁ? 」
「あ、えぇ〜っと...いいかな?一ノ瀬さん達のところ行ってきても?」
「俺は別に構わないぞ。」
『僕も大丈夫だから、いっておいで。』
正直、この人と二人きりになるのは内心嫌だなぁと思ったりする。
なんとなく、笑った顔を見た事がないからか、
というか、無表情以外の顔を知らないからか、
近づき難いイメージがある。
でも、そんなことで困らせるわけにもいかないので、
櫛田さん達とは離れ、綾小路くんと一緒に帰ることになった。
「あの、Aさん、てさん付けしなくても大丈夫だったりするか?」
『えっ、あ、!うん。大丈夫だよ。平気平気。』
「じゃあ、早速なんだけどさ。Aは、さ、どう思う?毎月10万pt貰える。ってやつ。」
『...あ〜。僕はどうだろう。結構あんまり欲しいものとかなくてさ、ある程度の日用品さえあれば他入らないかなぁって思ったりするんだよね。それに、朝ご飯とか夜ご飯よく抜いたりするしね。』
「使い道とかじゃなくてさ。本当に出してくれると思うかって話なんだが。」
『あ 〜!!そういうこと、うーんどうだろう。僕はわかんないんだよね。毎月10万貰えるとか、現実感がないゃん?それに、なんというか、怪しいツボ買わされてる気分とかにならない?』
「なるほど、Aは怪しいツボを買ったことがあるのか。」
『んなわけないでしょ!でも、そんな感じ。いい話の裏には悪いことが伴ってないとおかしいと、僕は思うんだ。音楽によく、簡単に信じるな!とか言う歌詞あるからね!』
「ふーん。」
興味なさげに言う綾小路くん。
「そっちが聞いてきたんでしょ〜!!」
と、普通の一般女子生徒を演じて見せた。
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作者名:匿名希望 | 作成日時:2022年10月10日 23時