相談 ページ8
「ん。手短に言うと、明日から早速仕事を任されてほしいんだ」
「はい、…ふぇ…?」
あまりにもエージェントさんが普通に言うからつい頷いちゃったけど…
ここでの仕事をする、って事は…
私、いきなり殺人を……?
「タイミングがいいのか悪いのか、つい最近依頼があってね。今回はまずプロキシと一緒に、ターゲットの偵察かな」
テーブルに両肘をつき、組んだ手で口を隠すような仕草をしながら言われる。
て、偵察…って事はつまり、殺しはまだかな…?
「な、なんだ…偵察…」
「…こんな少女にいきなり人を殺めろとは言わないよ」
苦笑いをしながらエージェントさんは言う。言うとコーヒーを飲むエージェントさん。
「あはは…ですよね、びっくりしたぁ…」
エージェントさんがコーヒーを飲むのを見て、私も言い終わってからトーストをさくさくしておく。
「…あぁ、何も飲み物がないっていうのも酷いか。プロキシに何か淹れていってもらえばよかったな」
「へ…?いや、平気ですよっ…」
さくさくしてる私の様子を見て、エージェントさんははっとしたように言う。
喉渇いてないし、本当に気にしてくれなくて大丈夫だけど…
「僕が淹れれるのはコーヒーくらいでね、それ以外は慣れてないんだが…。リヴェは何が好きかな」
「ほ、ほんと平気ですってっ」
立ち上がり、何か淹れようとしてくれてる様子のエージェントさんを見て、私も慌ててトーストを置いて立ち上がる。
「そうかい…?」
「はいっ」
私が大きく頷くと、ゆっくりと再び座ってくれるエージェントさん。
「…悪いね。なら話を戻そうかな」
さくさくしながらこくこく…。
「んー、と言っても…細かい事はプロキシが詳しいんだが。…あっ」
エージェントさんははっとしたように顔をあげ、私を見てくる。
「住み込みでの仕事になると思うんだけど、大丈夫かい?」
「プロキシも僕も当然のようにそうだったから…うっかりしてたな」と苦笑する。
「だ、大丈夫ですよ…?」
だ、だって私、帰る家なんて元からないし……。
住み込みの方が逆に有難いっていうか…
あ、トースト最後の1口…。さくさく…
「…そうかい、なら良かった」
あ、深くは聞いてこないみたい…、良かった…
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緑 - 紅楓さん» そう言ってもらえるととても有難いです!コメントありがとうございます、これからも頑張りますねっ (2020年5月12日 16時) (レス) id: 8fad606fce (このIDを非表示/違反報告)
紅楓(プロフ) - 面白いです!作者様のペースでいいので、更新頑張ってくださいね! (2020年5月12日 9時) (レス) id: 082dab1426 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん(プロフ) - 緑さん» いえいえ、コメント欄に大変失礼いたしました。 (2019年11月4日 22時) (レス) id: 638a835745 (このIDを非表示/違反報告)
緑 - 二次創作を書いていたつもりはないので今もフラグを立てていますが、何かあればまたコメントしてくれると有難いです、ゆりりんさんもわざわざコメントありがとうございますっ (2019年11月4日 16時) (レス) id: 8fad606fce (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん(プロフ) - 緑さん» こちらオリジナルで大丈夫ですよ…? (2019年11月4日 2時) (レス) id: 638a835745 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒夜 緑 | 作成日時:2018年9月2日 18時