#05 てつやくん ページ6
はあ...とため息をついたりょうくんは、もう一度私に「ごめんね」と爽やかな顔で言うと、てつやと呼ばれたその人の肩に手をぽんと置いた。
「これはてつや」
「ふむふむ」
てつやくんがそう言うから、私も同じように心の中で「ふむふむ」と繰り返して、りょうくんを見つめて次の言葉を待つ。
「終わり」
「っておーい!!それだけじゃ何もわからんやん!!」
「鳴海さんにそんな詳しい紹介する必要ないでしょ」
「俺は知って欲しいの!」
「何それ、ウザイなあ」
「ねえ?」ってりょうくんが、こちらをしっかり捉えて首を傾げる。
昨日までの私の生活からは全く予測出来ないこの状況に、頭が混乱。
こんな人気者りょうくんが、地味目な私を直視して、私のことを話している。
「いやいや...そんなこと...ないです」
「鳴海さん、気を使わなくていいんだよ、こんな奴に」
「いやいや!ほんとにそれは無いです!」
「なんで敬語なの笑」
それはりょうくんと話してるからです。
あなたのせいで緊張してるからです。
「鳴海ちゃん、数学教えて」
「お前距離詰めるの早すぎ」
「いいじゃん!ね?いいでしょ?鳴海ちゃん!」
「えっ...私?!」
「りょうが数学得意って言うってことはかなりできるやん!鳴海ちゃん!!」
できるか、できないか、の2択だとよく分からないけど。
すきか、すきじゃないか、の2択なら好きだ。
「りょうくんちょっと来てー」
後ろの席から柴田くんがりょうくんを呼ぶ声がして、「ごめん、ちょっとこいつ頼むね」ってりょうくんが保護者みたいに言い残してそちらに向かう。
初めて話す男の人と、2人になってしまった。
まだりょうくんが居た方が気が楽だったなあ...とか思ってたら、てつやくんは私の隣の席に座って、ノートをペラペラとめくっている。
「鳴海ちゃん!ここ!ここなんだよ!」
「ん?どこ?」
あれ?私、この人のペースに飲まれてる?!
あんなにドキドキして、どうしようって思ってたのに自然すぎてビックリした....
「教科書違うんだね」
「俺ととしみつは違う科だしぶんけーだからね」
ああ、2人は普通科文系さんなのね。
だから全然見たことないし、昼休みとか業後とかしか見ないのか。
もう1人の名前はとしみつくん。
新たな発見。
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____haru(プロフ) - ましろちゃん!待ってたよ!!!久しぶりの更新とっても嬉しい!元気そうでよかったです! (2018年12月7日 18時) (レス) id: 4f81121750 (このIDを非表示/違反報告)
Mashiro.(プロフ) - kyaspaさん» 新作の書き溜めが落ち着きましたら、こちらも同時に更新進めさせていただきます。しっかり案内しておらず申し訳なかったです。もう少しお待ちいただけたら嬉しいです。 (2018年10月24日 16時) (レス) id: 09eef81ca3 (このIDを非表示/違反報告)
Mashiro.(プロフ) - kyaspaさん» kyaspa様、コメントありがとうございます。そう言っていただけてとっても嬉しいです。今久々に自分で最初から全て読み返しました(;_;) 自分自身このお話に納得できなくて、更新停止していましたが、ひとりでも待っている方がいらっしゃる限り絶対書き終えます。 (2018年10月24日 16時) (レス) id: 09eef81ca3 (このIDを非表示/違反報告)
kyaspa(プロフ) - このお話がすごく好きです!続きが気になってうずうずしています笑笑いつか更新される日を心待ちにして待ってます笑 (2018年10月23日 23時) (レス) id: 0fd2e1c39a (このIDを非表示/違反報告)
Mashiro.(プロフ) - 月兎=光華さん» 月兎=光華さん、たくさんコメントありがとうございます!文才なんてとんでもない..!!ただの妄想話にありがとうございます(^^) 急展開に急展開を重ねていきます!ぜひよろしくお願いします♪♪ (2018年8月28日 21時) (レス) id: 09eef81ca3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Ma | 作成日時:2018年7月17日 0時