#19 副委員長 ページ20
あんなに近くで勉強したり、一緒に帰ったりしてたのに、今ステージで見ているとしみつくんはすごく遠くの人に思える。
なんだかんだ、先生に言われながら司会の仕事をこなしてる姿はちょっとかっこいい。
「ああ、忘れてた、副委員長も決めないとな」
「え?それなら俺、指名してもいいっすか?」
「おう!指名しろ!」
としみつくんは何故かあの怖い生徒指導の先生と仲が良くて、不思議なくらい親しい感じで喋ってる。
2年生だけどとしみつくんが指名される理由がわかった。
「鳴海ちゃん!」
「え?」
と言ったのは私ではなくて隣の青島くん。
その声を聞いて、自分が指名されたことに気づいた。
先生の視線はチラチラ散っていて、どれが「鳴海ちゃん」つまり私かどうか探しているようだった。
「鳴海さん、としみつと知り合い?」
「え?ほんとに私なの?」
「ほら、完全にこっちみとるよ」
ゆっくりステージの方を見てみると、としみつくんがこっちを見ていて、ペこって小さく頭を下げる。
何でこんなことに??
気持ちの整理がつかないまま、先生に呼ばれてステージに上げられる。
「なんで私?」
「女子じゃなきゃダメって言われちゃって」
「クラスの子いるじゃん」
「鳴海ちゃんの方が話しやすいんだもん」
え?あのテンションで?
あんなに喋らないのに、ちょっとは話しやすいって思ってくれてたことがちょっと嬉しかった。
としみつくんの隣に行くと、先生からマイクを渡されて挨拶を要求される。
私まだ副委員長になるって言ってないんだけど。
「えーっと...」
としみつくんの方をちらっとみて助けを求めると、口パクで「頑張って」と言ってくれた。
「副委員長の鳴海Aです、頑張ります?」
「お前らに任せて大丈夫か?」
としみつくんと私の挨拶を黙って聞いていた先生がそう言って笑ってる。
なんで集めたのか分からないくらい、体育祭の説明と競技の説明だけをしてあっという間に会議は終わった。
また来週、係を決めるために集まるらしい。
今度はクラスから1人でいいみたいだから、青島くんは喜んでた。
「鳴海ちゃんごめんね、俺のせいで」
「え?何が?」
「なんでもね」
隣を歩くとしみつくんを見上げると、ぷいってそっぽを向いた。
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____haru(プロフ) - ましろちゃん!待ってたよ!!!久しぶりの更新とっても嬉しい!元気そうでよかったです! (2018年12月7日 18時) (レス) id: 4f81121750 (このIDを非表示/違反報告)
Mashiro.(プロフ) - kyaspaさん» 新作の書き溜めが落ち着きましたら、こちらも同時に更新進めさせていただきます。しっかり案内しておらず申し訳なかったです。もう少しお待ちいただけたら嬉しいです。 (2018年10月24日 16時) (レス) id: 09eef81ca3 (このIDを非表示/違反報告)
Mashiro.(プロフ) - kyaspaさん» kyaspa様、コメントありがとうございます。そう言っていただけてとっても嬉しいです。今久々に自分で最初から全て読み返しました(;_;) 自分自身このお話に納得できなくて、更新停止していましたが、ひとりでも待っている方がいらっしゃる限り絶対書き終えます。 (2018年10月24日 16時) (レス) id: 09eef81ca3 (このIDを非表示/違反報告)
kyaspa(プロフ) - このお話がすごく好きです!続きが気になってうずうずしています笑笑いつか更新される日を心待ちにして待ってます笑 (2018年10月23日 23時) (レス) id: 0fd2e1c39a (このIDを非表示/違反報告)
Mashiro.(プロフ) - 月兎=光華さん» 月兎=光華さん、たくさんコメントありがとうございます!文才なんてとんでもない..!!ただの妄想話にありがとうございます(^^) 急展開に急展開を重ねていきます!ぜひよろしくお願いします♪♪ (2018年8月28日 21時) (レス) id: 09eef81ca3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Ma | 作成日時:2018年7月17日 0時