#09 としみつくん ページ10
帰ろうと思ってたんだけど、ホントかわからないけど話しかける練習までしてくれて帰るなんてわけにはいかなくて、帰り支度をストップする。
「分かんないところどこ?」
「え?いいん?」
キョロキョロして不安げだった彼は、嬉しそうにキラキラした目をこちらに向ける。
「ん?聞きに来たんじゃないの?」
「聞きに来た!来た!」
さっきまでとは打って変わっててつやくんたちと話す時の元気なとしみつくんに大変身。これは驚きだ。
「ここなんやけど」
てつやくんと違って、としみつくんは一応授業は聞いているようだ。問題解く時に大事なことを確認してみてもしっかり答えてくれた。
「としみつくん字が綺麗だね」
「なにそれ照れるわ」
「てつやくんのノート見たあとだから?」
「あぁ、てつやのノートの後は誰のノートでも綺麗だわ」
「おおーいっ!誰だ!俺の悪口を言ってるのは!」
あれ?昨日も全く同じことがあった気がする、デジャヴ?
今日はとしみつくんが、昨日てつやくんが座ってた席に座ってるけど、てつやくんの声に振り返ることなく完全無視。
「おい!としみつ!」
「なんだよ!俺今勉強してんの!」
「かまえよ!」
「お前に構ってる暇なんてない」
この2人息があってるのかあってないんだか全くわかんない。
としみつくんは、ノートを見つめて問題を解いては私の方を無言で見る。
「ん?合ってるよ」
「こっちは?」
「合ってるよ」
「ならいい」
会話は最低限で、すぐにノートに目を落とす。
伏せている目をみて初めて気づいた。
この人、めっちゃまつげ綺麗。
お母さんもきっととしみつくんに似てるんだろうなって思う。
「これわからん」
としみつくんの目というかまつげに見とれていたら、急に目がこっちを向いて、バッチリ目が合ってしまいちょっと恥ずかしかった。
「あっ、ごめん」
「え?なんで??」
ガン見してたのがバレたと思って、とっさに謝ってしまった。あ、バレてなかったのね。
「俺のこと、見てたん?」
「みっ...見てない!!」
見てました。ガッツリ見てました。
同級生の男の子をこんなに近くで見れるなんて滅多にないので見てました。
昨日のてつやくん以上に観察してました。
「見ててくれてもいいのに」
小さくふっと笑って、またノートに目を落とした。
307人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
____haru(プロフ) - ましろちゃん!待ってたよ!!!久しぶりの更新とっても嬉しい!元気そうでよかったです! (2018年12月7日 18時) (レス) id: 4f81121750 (このIDを非表示/違反報告)
Mashiro.(プロフ) - kyaspaさん» 新作の書き溜めが落ち着きましたら、こちらも同時に更新進めさせていただきます。しっかり案内しておらず申し訳なかったです。もう少しお待ちいただけたら嬉しいです。 (2018年10月24日 16時) (レス) id: 09eef81ca3 (このIDを非表示/違反報告)
Mashiro.(プロフ) - kyaspaさん» kyaspa様、コメントありがとうございます。そう言っていただけてとっても嬉しいです。今久々に自分で最初から全て読み返しました(;_;) 自分自身このお話に納得できなくて、更新停止していましたが、ひとりでも待っている方がいらっしゃる限り絶対書き終えます。 (2018年10月24日 16時) (レス) id: 09eef81ca3 (このIDを非表示/違反報告)
kyaspa(プロフ) - このお話がすごく好きです!続きが気になってうずうずしています笑笑いつか更新される日を心待ちにして待ってます笑 (2018年10月23日 23時) (レス) id: 0fd2e1c39a (このIDを非表示/違反報告)
Mashiro.(プロフ) - 月兎=光華さん» 月兎=光華さん、たくさんコメントありがとうございます!文才なんてとんでもない..!!ただの妄想話にありがとうございます(^^) 急展開に急展開を重ねていきます!ぜひよろしくお願いします♪♪ (2018年8月28日 21時) (レス) id: 09eef81ca3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Ma | 作成日時:2018年7月17日 0時