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〜sideなし〜
今更ながらの質問に、雄司は答えた
雄司「いつか
雄司は鈴風のことがずっと好きだ
鈴風だけを愛している
雄司の基準は鈴風
それは当たり前で、だからコクーンへの融資も惜しまなかった
※81
言葉では表せないほど、本気で鈴風を愛している
今でも
矢河というブランドに興味を示さず1人の人間として接してくれたのは鈴風だけ
本音を隠し近寄ってくる大人や友達と名乗る者しかいなかった雄司にとって、特別に想うには充分すぎた
鈴風との関係を認めさせるために会社を作り、自らの価値を証明した
リリック「お嬢さんは鈴風が入院を拒んだ理由を知らないのか?」
体が弱く病気がちだった鈴風は自宅で出来る薬治療しか受けてこなかった
入院し、最先端の医療を受けていれば未来は変わっていたかもしれない
雄司「何を言っても言い訳だからな」
リリック「ふーん。じゃ、どうして嫌われたままでいいなんてバカげた発想になったんだ」
一番の疑問はまさにそれ
なぜ自ら、苦しい道を選んだのか
愛しているのなら、誤解を解こうと努力すべきだった
語られた答えは難しくはなかった
雄司「Aが私を嫌いになりたいと、本気でそう思っていたから」
雄司は良き夫ではあったが、良き父ではなかった
自覚はあったが簡単に直るものでもなく、父娘としての関係は破綻していた
嫌われることは言わば愛情表現
ちゃんと話し合えば絡んだ糸はすぐに解けたというのに
拓真「ついでにもう一つ。面倒なご報告してもいいですか。諸伏景光ですが、お嬢様と付き合っているという認識になっております」
雄司「はぁ!!?」
キレる雄司に怯むことなく淡々と説明する
付き合っている認識はあくまでも亡くなった景光だけでAの中では友……知り合いとしか思われていない
そのすれ違いがこの先一生、正されることがないと分かると安心のため息をついた
拓真「彼らと協力はしないのですか」
雄司「どうしてものときは、こちらからお願いするさ」
絶対しないな、と拓真は確信した
リリック「にしてもすごいな。どうやって集めたんだ」
感心するリリックに、普通に、と答えた
口が裂けても言えるわけがない
Aをダシにありとあらゆる業界の人間の弱味を握り“厚意”として情報を受け取っているなど
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まゆ(プロフ) - コメントありがとうございます!ネタが思いついたときにしか更新してないので、時間かかってしまいますが、こうして待ってくれてる読者様がいてくれると頑張れます!! (7月23日 22時) (レス) id: c462f277ab (このIDを非表示/違反報告)
礼 - めっちゃ面白かったです。続きが楽しみで仕方ありません。余力がある時に続きを書いていってくださると読者としてとても嬉しく思います。頑張って下さい。 (7月23日 22時) (レス) @page30 id: 3d2eda965f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まゆ | 作成日時:2022年12月28日 0時