336 ページ36
〜A〜
雄司「A。まだ話しがあるから座ってくれ」
「後で嫌味言われるの私なんだけど」
雄司「文句を言わないよう言っておくよ」
にこやかに笑いながら私の前に2枚の紙を並べた
嫌な予感しかしない
雄司「私の所有するガラス工芸専門店でAの作品を売りたいんだ。これは作って欲しいリストだ」
何を言ってるんだろうか、この人は
そんなのはプロに依頼すればいいのに
雄司「こっちはA専用の工房だ。24時間体制で警備を配置しておく。もちろん女性だ。セキリュティも万全にしてある。入室にはAの指紋と色彩認証。中に入れば更に指紋、色彩、耳紋、顔のパーツ、爪の形……」
「もういい。分かったから」
要は私に変装した第三者が工房に入ったら警報が鳴るってことね
私だけの工房は嬉しいけどさ
これを受け取ったら私が作らなきゃいけなくなる
「私、いち社員なんだけど?」
雄司「元々、Aは社員じゃなくて職人として雇いたかったんだよ。私の娘ということで、色々な苦労をすることは目に見えていたからな」
「まず私をお父さんの下で働かせようとするのやめて」
雄司「作ってくれるかい?」
人の話し聞かないトップだなぁ
「やればいいんでしょ」
雄司「じゃあこの契約書にサインを」
用意周到
頷くまで出す気なかったんじゃん
これで私は拓真と似たようなスタンスになるわけだ
会社が人手を求めたときにだけ出社して、基本は本業であるガラス工芸作り
「じゃあ私、戻るね」
雄司「A」
「何?」
雄司「あ、いや……。Aに…護衛を付けようか悩んでるんだが。………っ、Aは、構わないか?もちろん…女性なんだが」
「これ見よがしに視界に入らなかったらいいけど」
雄司「そうか」
え……?何、今の顔
安心したような……
それに今更護衛?
ずっといなかったのに
頭の中で、古いビデオが映らないときのザザって感じで記憶がブレる
この人………この人達はまだ何か隠している
「ねぇ……。護衛の人の候補って決まってるの?」
聞いてはいけない
今はまだ
確証もないのに問いただしても、上手くあしらわれるに決まってる
雄司「Aの許可を得てから探そうと思ったんだが……。でもまぁ、拓真がいるから、しばらくはいらないかもな」
「四六時中、拓真と一緒にいるわけじゃなけどね」
リリックさんの言った、アイツの正体を聞くの忘れたと思いながら部屋を出た
157人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まゆ(プロフ) - コメントありがとうございます!ネタが思いついたときにしか更新してないので、時間かかってしまいますが、こうして待ってくれてる読者様がいてくれると頑張れます!! (7月23日 22時) (レス) id: c462f277ab (このIDを非表示/違反報告)
礼 - めっちゃ面白かったです。続きが楽しみで仕方ありません。余力がある時に続きを書いていってくださると読者としてとても嬉しく思います。頑張って下さい。 (7月23日 22時) (レス) @page30 id: 3d2eda965f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まゆ | 作成日時:2022年12月28日 0時