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〜A〜
めちゃくちゃ釘刺されたな
目に見えて危険な人達だし、勝手に会うのは流石にもうやめたほうがいいかも
前回はなぜかピンガさんの機嫌が良かったから怪しまれずに色々と聞けた
でもなぁ。あの感じなら次も大丈夫な気がする
今のとこはブロックも着拒もせずに、当たり障りのないように誘いを断れと圧をかけられた
リリック「お嬢さん。考え事かい」
コーヒーを差し入れてくれるリリックさんが、モテる理由がよく分かる
受け取ると、隣りに腰を降ろした
今は昼休みでサボってるわけでもなく、だから休憩スペースに私がいることは全くもって不思議ではない
リリック「これ、どうかな。この前の子供達の意見を取り入れて、改良したんだが。謎解きも、名探偵コースと一般コースに分けてみた」
「この屋根は?付けるのは無理だったんじゃ」
リリック「意外といけた。作業員達が張り切ってくれてね。言ってみるものだな」
「みんな助かると思います。メニューも追加したんですね」
元太くんのうな重が通ってる
これらを全部やって、よく間に合ったよね
ニュースでもかなり取り上げられていたし、遅れたら大炎上してたかも
開園まで残り日数、アトラクションで事故が起きないように不備がないかチェックするそうだ
リリック「時間はまだあるかな。話しがしたいんだ」
「大丈夫ですよ」
ここでは……と、言葉を濁し、人に聞かれたくないからと、会議室に誘われた
「それで話しって……」
リリック「お嬢さん。目を閉じて。ゆっくりと思い出して欲しい。17年前、何があったのか」
なぜだろうか
リリックさんの声に従わなくてはと、埋もれた記憶を掘り起こして私自身も覚えていない記憶に触れた
そうだ
あの日、私は……期待していたんだ
だってその日は寒くて、でも初めてお父さんが……
自分でもなぜ忘れていたのか不思議なほど、覚えていた
あの日の行動を説明するのはとても簡単で、リリックさんに投げかけられる質問には詰まらず答えられた
リリック「あぁ、そうか。それが君の“真実”なんだね。すまなかったね。辛いことを思い出させて」
「✕✕✕✕✕」
リリック「え……?お嬢さん。今何と……?」
それしか思い浮かばなかった
口にするべき言葉は
リリック「もういいんだよお嬢さん。何も思い出さなくて」
大きな手が視界を覆う
一瞬の暗闇に、寒かった17年前の記憶はまたヒビが入り見えなくなった
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まゆ(プロフ) - コメントありがとうございます!ネタが思いついたときにしか更新してないので、時間かかってしまいますが、こうして待ってくれてる読者様がいてくれると頑張れます!! (7月23日 22時) (レス) id: c462f277ab (このIDを非表示/違反報告)
礼 - めっちゃ面白かったです。続きが楽しみで仕方ありません。余力がある時に続きを書いていってくださると読者としてとても嬉しく思います。頑張って下さい。 (7月23日 22時) (レス) @page30 id: 3d2eda965f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まゆ | 作成日時:2022年12月28日 0時