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〜sideなし〜
基本、拓真は金が絡めばいつも以上の実力を発揮する
分かってしまったのだ
この世で唯一、裏切らないものがあるとすれば、それは金
だから執着する
金持ちになりたいわけではない
金が欲しいのだ
拓真が優秀なのは金が絡まなくても、だ
一見して、ただの殺人事件に、黒の組織が関わっていると見抜いてしまうほど
例をあげるなら、10億円強奪事件の犯人の殺害
彼女の近くに落ちていた拳銃には彼女の指紋しか検出されなかった
罪を悔いてのじさつとして処理されたが、背後にいる巨体な組織の存在を掴んでいる
問題なのはその組織が闇に包まれすぎていること
他にもいくつか事件の背景に奴らの影を見つけている
その才能を別のことに活かせばもっと楽に金を稼げるのに、拓真の命も未来も全て、矢河のために捧げた
雄司「この際だ。Aに関する全てを報告しろ。その上で、面倒かどうか私が判断する」
拓真「そうですね。今の怪盗キッドが2代目なのはご存知ですよね?黒羽盗一。お嬢様と彼が10年前に出会っていたとか」
雄司「それは10年前に言うべきことじゃないのか」
拓真「特に聞かれなかったもので」
リリック「お前すごいな」
拓真「10年前……。お嬢様が学校帰り、男にぶつかられまして。そのとき膝から血が出ていたのでハンカチを渡したのが、黒羽盗一です。まぁ、旦那様は当時、家にいなかったので知らなかったと思いますが」
雄司「ぶん殴るぞお前」
リリック「いちいち一言余計なんだよ」
拓真「その男はきちんと私が“対処”しましたので」
ニッコリと笑う拓真にリリックは、何をしたのかは聞く気にはなれなかった
死んではいないだろうが、恐怖におののいたに違いない
拓真「補足として、お嬢様はそのハンカチは今でも大事に保管しています」
雄司「捨ててしまえ。そんな物」
拓真「いくら父親でも娘の物に手を出したら一生嫌われますよ」
嫌われることを何とも思っていなかった雄司が、今では嫌われたくないと思う
それはこの父娘の不和が少しだけ緩和された証拠
この調子で普通の親子のようになってくれたらと、祈る
拓真「他の事案も聞きますか」
雄司「だから全部言え」
夜が明けるまで、まだまだ時間はある
Aが出会った人間
その中にAに好意を抱く男は数え切れないほどいる
それは雄司を不機嫌にするには充分すぎて、空気を入れ替えるために窓を開けた
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まゆ(プロフ) - コメントありがとうございます!ネタが思いついたときにしか更新してないので、時間かかってしまいますが、こうして待ってくれてる読者様がいてくれると頑張れます!! (7月23日 22時) (レス) id: c462f277ab (このIDを非表示/違反報告)
礼 - めっちゃ面白かったです。続きが楽しみで仕方ありません。余力がある時に続きを書いていってくださると読者としてとても嬉しく思います。頑張って下さい。 (7月23日 22時) (レス) @page30 id: 3d2eda965f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まゆ | 作成日時:2022年12月28日 0時