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25話 ページ27

太宰side


口を再び開こうとしたその時、
彼女が手を挙げると同時に、
1発の銃声が轟いた。


「……え?」

「邪魔者が居たので消してもらいました」

外を見るが硝子が割れている様子はない。



彼女の仲間もこの狭い空間内に居たんだね。
そして、邪魔者さんと言う方も。


「何時もこんな感じなのかい?」

「えぇ、何故か
何時も狙われてしまうんですよね。
唯、私は運動は苦手でして……
銃1発も撃てないんです。」

へぇ、完璧な彼女にも
人間らしい所があってよかったよ。

「何時もならどうにか
脅しに持っていけるんですが、
今日は貴方が居るので
政府の方に消してもらいました。」

政府の方に消してもらいました、ねぇ。
政府は彼女の為なら国民をも殺すという訳か。

如何に彼女が
大切にされているかが分かるよね。


「私の異能力の詳細はこれ程重大なのです。
一般市民さえも消されてしまう程ね」


成程、私が異能力の詳細を
聞いてる時から居て、しかも彼女は
それに気付きながらタイミングを
図っていたという事か。


元マフィアの私でさえも
気付かなかった気配に気付いて。

「それでも愛してくれるんですか?」

そう言う彼女はまるで幼稚園児の様な
駄々を捏ねる娘の顔をしていた。


なんだ、
彼女の欲しい物は私でもあげられるんだ。


「勿論。私も武道は苦手だが、
君の為なら身を捨ててでも守りきるよ」

今度こそ、正当な方法で。
君に嫌われないように。そして、

「私も少しは我儘になるべきかな?
本音の本音を言うならね、
君の事一生離したくない。」


そう言うと満足そうに微笑んで君は言った。


「貴方ならそう言うと思ってました」

今私は君に触れていて、
君は異能力を使えない筈なのに、
分かりきったかのように言う君は
とても可愛らしくて。


嗚呼、誰かに奪われる前に
この可愛さに気付けて良かったよ。



「ねぇ、君の本音は?」


「まだ内緒です。




あと少しだけ待っててくださいね」

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ゆーき(プロフ) - りんさん» またコメントして下さり本当にありがとうございます!!また思い付き次第書いていきたいと思います◎ (2020年1月20日 16時) (レス) id: e9e078458b (このIDを非表示/違反報告)
ゆーき(プロフ) - 雑草と花さん» ありがとうございます!ごちゃごちゃした話だったので面白かったか不安で……面白いと言って貰えてとても嬉しいです!! (2020年1月20日 16時) (レス) id: e9e078458b (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 次の作品楽しみにしてます (2020年1月20日 8時) (レス) id: f011f41edf (このIDを非表示/違反報告)
雑草と花(プロフ) - 完結おめでとうございます!とても面白かったです (2020年1月20日 6時) (レス) id: 157490c8f1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーき(プロフ) - しーぶりーずさん» コメントありがとうございます!!私も「天久鷹央の推理カルテ」好きなんです!良く考えれば兄弟という点でも、キメラの話と同じですね……!全く気付いていませんでした笑笑頑張って更新していきますね〜!! (2020年1月2日 15時) (レス) id: e9e078458b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆーき | 作成日時:2019年12月20日 19時

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