婚姻届を書いてください!!【太宰治】

29話 ページ31

「まだ来ないのか？」

「もう少しで来るようです!!」

「早くしないと目が覚めてしまうじゃないか」

「お、やっと来たか。」





此処は…………？


「ん、んんｯ……」

口は塞がれていて声は出せない。
手も足も手錠で繋がれている、か。



彼が社長では無いことは分かっていたけれど、真逆ここまでするとはなぁ。



私に害は無いからいいか




「A!?大丈夫かい???」

見て分かるとおり大丈夫じゃないです。


「この娘かお前の命か、何方が大切なんだ？」

男はそう言いながら私に銃を向ける

「私の命はどうでもいいよ、
彼女さえ生きていればそれで良い」

即答ですね。


何よりも1番嬉しかったのは、
貴方が覚悟を決めたような顔で
震えた声で
返事をした事。


死ぬ事に未練があるんだ

前までは死にたがりだったのに。


「じゃあお前が命を棄てて助けるんだな」

そう言った瞬間銃の安全装置を外した

そして私に狙いを定めて、
「A…………!!」

1発の銃声が響いた









「…………え？」

船中で拍手が聞こえてきた。

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