氷が二十一粒 ページ22
『…それ、何も聞いてない。どういうこと』
学「そっちモードに入ってしまいましたか…まぁいいでしょう。
実は、最初から決まっていたのですよ。進路選択のときにでも言えばいいと思っていましたが」
『進路選択？そんなもの、選択とか言いながら選択させる気なんてないじゃないか』
学「いえ、これはこちら側も筋を通します」
『筋？』
訝しげに学園長を睨む。
学園長は一つ咳払いをして続けた。
学「教育者として、貴方には自由な選択をしてほしいのです。
一つは、お達しの通り三年生を終えたら家に戻る。
もう一つは、そのお達しを拒否して在学する。
そして最後の一つは、三年生を終えたら卒業扱いとし、社会に出て働く」
『その三つの内、どれか一つを選べと？』
学「ええ」
『…まぁ、ボクとしては在学したい。でも、それをスフィオン家が許すと思う？』
学「そこは学園側でなんとかします」
『信用できないね』
困ったように眉を顰める学園長。
当然だろう。
あの方たちに逆らったら今度こそただじゃすまなそうだ。
無断で一年遅れて家に帰ろうものなら、多分ボクは…
学「スフィオンく…いえ、Aくん」
『…何？』
学「私は貴方を助けたいのですよ」
『…？』
何言ってんだこの烏。
ボクなんかよりも胡散臭くて顔をしかめる。
助けたい？このボクを？
何を言ってる、ボクは助けられるような可哀想な子じゃない。
だが、お構いなしに学園長は話を続けた。
学「貴方にとって酷なことを言いますが、あのお家は毒です」
『…は？？』
学「入学の際、名家というわけで私直々に迎えに行きましたが、正直貴方が可哀想でした。
13人兄弟の末っ子なので、さぞや愛でられていることだろうと思いましたが、正反対でしたからね」
『…るさい』
学「実際の貴方は兄弟や親の奴 隷のよう。
毎日のようにオーバーブロットする使用人を殴って抑え込む、貴方のお役目はそれだけでしたね」
『…黙れ…！！』
学「その仕事だって可哀想なものです。
なのに貴方は健気に頑張っていた。
皆に『お前にしか出来ない』『お前にしか救えない』と持て囃され、騙され、泣きながらも健気にずっと殴り続けていた。
実際はご家族にとって邪魔であるものの処理をさせられていただけなのに」
『黙れッッ！！！』
ボクが怒鳴ると、ようやく学園長は口を噤む。
そんなはずない、仕事のときだけは皆に愛されていたんだ…！
ボクは思わず学園長を睨んだ。
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ユアさん - なんでやろ…マホたそに見える (7月28日 19時) (
レス) @page6 id: ae68d762ff (このIDを非表示/違反報告)
ぶぃ、さいん(プロフ) - かふかすかるさん» 夢主くんの喋り方は完全にマホロアにしてるからですね…！！() コメントありがとうございます！ (2021年9月11日 10時) (レス) id: fee00d9c4b (このIDを非表示/違反報告)
かふかすかる(プロフ) - なんかすごいマホロア感感じました！ (2021年9月11日 1時) (レス) id: 2497b8742f (このIDを非表示/違反報告)
ぶぃ、さいん(プロフ) - 雨の夜さん» 優男とか通り越してもはや出来る男のクル先← スフィオン家に不幸が襲うまであと5…4…() (2021年5月10日 20時) (レス) id: ecdadf7d60 (このIDを非表示/違反報告)
雨の夜 - 何かを察した出来る男クル先← 真面目にスフィンオス家だけはバットエンドになって欲しい(真顔) (2021年5月10日 18時) (レス) id: 1e59db50fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぶぃ、さいん | 作成日時：2021年4月4日 15時
