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対価 その41 ページ42

Noside

A「て……めぇ…」

ユリウス「………」



息が激しく乱れるAを前に、ユリウスは手をかざす。


もうこれで本当に終わらせる、という気で。




ユリウス「メルシー、今助けるよ………」

A「ハァ、ハァハァ、ハァこんなことして、母さんが喜ぶとでも…思って、るの…!」

ユリウス「彼女が喜ぶかどうかじゃない」

A「ハァ、ハァ」

ユリウス「彼女はこの世に必要なんだよ。この世界に、存在しなくてはいけない。それほどにメルシーは、素晴らしい人だから」

A「ハァ………あ、そう」





そう呟くと、Aは目を閉じた。

すると力が抜けたように、地面へと落ちる。




ユリウス「これで、やっと…!」




ジュシャッッ!!!




ユリウス「ブハッ!!な、なん…で…!!」




ユリウスが勝利を確証した時だ。

下から黒い斬撃がとび、ユリウスの体を貫いた。

急所は外されたものの、その衝撃でユリウスも地面へ落ちる。





A「”対価魔法 deadheaven(デッドヘブン)“
敵が勝利を確証した時こそが、勝機……なんてね」




トドメの一発、それはAが放ったものだった。



A「ハァ、これで……意識はない、は」



ドパァン!!



A「!?!……ぁ」



ドサリ



それは一瞬だった。

Aの右手が、吹っ飛んだ。


意識が朦朧とし地面へ倒れ込む。


もう誰がなんて、分かりきったこと。




ユリウス「ハァ、僕はメルシーを取り戻す……!!
たとえ、何かを失っても」

A「ぁ…ュ……ゥス…」

ユリウス「僕をあれだけで殺せるとでも??あのぐらいの傷、時間を戻して治せるよ」

A「……ば、かな」

ユリウス「一応魔法帝だから、並大抵の攻撃では倒れない」






「さぁ始めようか」と言い、ユリウスは少しだけ消えかけてるAのグリモワールに手をかける。


ようやく、待ち望んだ結果になる。

べチャリとグリモワールにAの血を垂らし、とあるページを開いた。




そこには2体の獣が描かれ、獣の間に天秤がある。


獣達の後ろには女神がいて、2体の獣の命を天秤にかけている。




これがユリウスが唯一の方法と判断した魔法。


”対価魔法 美命の威吹鬼(ミコトノイブキ)“


死んだメルシーを蘇らす魔法






A「ねぇ……ユリウス……」

ユリウス「…」

A「私を、愛して……くれた?」









力なき弱々しい声でそう言ったAに、

ユリウスは答えなかった。



.

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闘乱雪(プロフ) - 感動しました!涙脆い私だけなんでしょうか?凄くウルっときたのは (2019年2月10日 12時) (レス) id: 7aa059542a (このIDを非表示/違反報告)
N.K(プロフ) - まるさん、御忠告とご注意ありがとうございます!初めて書いていてあまり理解ができていない部分があり、すみませんでした。この忠告のもと気を付けて書いていこうと思います。本当にすみませんでした。 (2018年12月30日 16時) (レス) id: c08585e31b (このIDを非表示/違反報告)
まる - ルールを理解せずに作られた違反作品が増え、占つが無法地帯だと言われる要因の一つにもなっています。ルールをちゃんと守りましょう (2018年12月30日 13時) (レス) id: c2cd8ec7e2 (このIDを非表示/違反報告)
まる - 作品を作る前にルールをしっかりご理解下さい。オリジナルフラグをちゃんと外して下さい、違反行為です。最初に編集画面の注意事項をちゃんと読まれましたか?そこら辺をちゃんとよく読み、ルールを理解の上作品を作るようにして下さい (2018年12月30日 13時) (レス) id: c2cd8ec7e2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:パパゴラス3世 | 作成日時:2018年12月29日 20時

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