対価 その35 ページ36
ヤミside
A「そ、それで弱みに漬け込んだ国王がどんな取り引きを?」
ヤミ「さぁな」
A「へ?貴方全部知ってるんじゃないんですか!?」
ヤミ「でも大方想像つくだろ、お前も」
A「えぇ、まぁ」
目線を下にさげ、苦しそうな顔を再びしたA。
自分の命を取り引きされたんだ、しょうがねぇか。
A「あのところでその取り引きはどうやってやるんです?死んだ人間の命を取り戻す方法が国王にはおありで?」
ヤミ「あ?んなわけねぇだろ」
A「じゃあどうやって……」
ヤミ「その為のお前だろ」
A「は?」
コイツ勘が鋭いと思ってたが勘違いだったか。
まだ分かってないのかよ。
ヤミ「お前考えてみろ。なんで王家の生き残りのグリモワールを国王ではなく旦那が持ってったと思ってる」
A「それって」
ヤミ「お前のグリモワールを使ってメルシーさんを取り戻すんだよ」
A「そんなのできるわけないですよ。だって私の魔法ですよ」
ヤミ「それでも発動させる手立てを旦那は持ってるんだろう」
あの人が何を考えてるのか、今では分からねぇ。
でも確信してることが1つある。
ヤミ「A、旦那はお前に愛情なんて1つも持っちゃいない」
A「な、なんですかいきなり!!!今はそうかもしれないけど、最初はちゃんと」
ヤミ「あったとしてもそれはお前への愛じゃない。やっと取り戻せる手段を得た、メルシーさんへの愛だ」
A「!………んなわけ……」
ふぅ、と煙草をもう一度ふかす。
もうここまで言ったらAの躊躇いは無くなるだろか。
どこかで己を邪魔してた育ての親を信じたいという想いが消えるだろうか。
ヤミ「俺が知ってるのはこのぐらいだ。………行くぞ」
A「…」
ヤミ「ふぅ。おいA」
A「…分かってます、分かってますよ。行きましょうか。
私死にたくないんで」
力なく笑う姿が、無理をしていると分からせる。
ヤミ「そうだな」
つい最近会った奴なのにここまでする義理はねぇが、団員になったら話は別だ。
仲間をそうそうに殺させない。
ま、どうなるかは限界をこえられるかどうかだがな。
ヤミ「A!旦那達はこの先だ!!」
A「はい!」
頼むぜ旦那。早まらないでくれよ。
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闘乱雪(プロフ) - 感動しました!涙脆い私だけなんでしょうか?凄くウルっときたのは (2019年2月10日 12時) (レス) id: 7aa059542a (このIDを非表示/違反報告)
N.K(プロフ) - まるさん、御忠告とご注意ありがとうございます!初めて書いていてあまり理解ができていない部分があり、すみませんでした。この忠告のもと気を付けて書いていこうと思います。本当にすみませんでした。 (2018年12月30日 16時) (レス) id: c08585e31b (このIDを非表示/違反報告)
まる - ルールを理解せずに作られた違反作品が増え、占つが無法地帯だと言われる要因の一つにもなっています。ルールをちゃんと守りましょう (2018年12月30日 13時) (レス) id: c2cd8ec7e2 (このIDを非表示/違反報告)
まる - 作品を作る前にルールをしっかりご理解下さい。オリジナルフラグをちゃんと外して下さい、違反行為です。最初に編集画面の注意事項をちゃんと読まれましたか?そこら辺をちゃんとよく読み、ルールを理解の上作品を作るようにして下さい (2018年12月30日 13時) (レス) id: c2cd8ec7e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:パパゴラス3世 | 作成日時:2018年12月29日 20時