検索窓
今日:7 hit、昨日:6 hit、合計:27,229 hit

対価 その43 ページ44

Noside

女神は静かに告げる。


女神『対価に相応しくない』

ユリウス「何故?命と命だ」

女神『この世にない命……あることにする……理に…逆らう』

ユリウス「……」

女神『女の命…もうすぐ終わる…相応しくない』




女神が告げた事は、ユリウスがやってきた事を無駄にすることだった。

ユリウスの夢も想いも、全てを否定するものだった。






A「はは、だから…無理って言ったのに」

ユリウス「……じゃあメルシーはどうやって」

A「同じ、系統でも……違うのさ。母さんは…”交換“、私は”対価“。

できても、やり方が…違う」

ユリウス「そう、か」







ユリウスの目から希望が消えた。


夢が、希望が、消えた。


もう、為す術はない。

Aの言葉は、それを分からせるのに、充分すぎる言葉だった。









女神達は消え、グリモワールはパタリと閉じた。





ヤミ「旦那……」




いつの間にかヤミが来ていた。後ろには魔法帝直属の回復魔道士、オーヴェンの姿がある。



ユリウス「すまないね、こんな事になってしまって」

ヤミ「謝るのは……謝るのは、俺じゃないでしょ」






ユリウスはオーヴェンの治癒を受けているAを見る。


かつて自分が拾った命が、自分のせいで弱っている。




幼いAにユリウスは教えた。
生活の仕方を、勉強を、世界を、生きる術を、全て教えた。

自分の娘同然に育てた。




だが、間違ってしまった。





ユリウス「すまない……A…」

ヤミ「!?旦那!!」







ユリウスは倒れた。

魔力もまだ有り余っていたはずだが、深い眠りにつくように、目を閉じた。









.









.









.









.









.


??「なんでアンタが目閉じてんのかねぇ」




ここは治療室。


寝息をたてて静かに眠るユリウス・ノヴァクロノと、1人の少女の姿があった。



A「寝ていたいのは私の方なんだけど。こんな傷負わせやがって」




先程戦いが終わり、魔法騎士団は崩壊した建物と国民の対応に追われていた。


そんな中、ユリウスは未だ目を覚まさず、

Aは体を包帯で覆われながらも松葉杖をついていて、一命を取り留めた。



体に空いた穴はオーヴェンにより塞がれたが、痛みはまだ体を襲っている。



A「だからやめとけって言ったのに」




Aはまだ眠るユリウスを前に、傍らに置いてある椅子へ腰をかけた。


.

対価 その44→←対価 その42



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 8.9/10 (21 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
25人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

闘乱雪(プロフ) - 感動しました!涙脆い私だけなんでしょうか?凄くウルっときたのは (2019年2月10日 12時) (レス) id: 7aa059542a (このIDを非表示/違反報告)
N.K(プロフ) - まるさん、御忠告とご注意ありがとうございます!初めて書いていてあまり理解ができていない部分があり、すみませんでした。この忠告のもと気を付けて書いていこうと思います。本当にすみませんでした。 (2018年12月30日 16時) (レス) id: c08585e31b (このIDを非表示/違反報告)
まる - ルールを理解せずに作られた違反作品が増え、占つが無法地帯だと言われる要因の一つにもなっています。ルールをちゃんと守りましょう (2018年12月30日 13時) (レス) id: c2cd8ec7e2 (このIDを非表示/違反報告)
まる - 作品を作る前にルールをしっかりご理解下さい。オリジナルフラグをちゃんと外して下さい、違反行為です。最初に編集画面の注意事項をちゃんと読まれましたか?そこら辺をちゃんとよく読み、ルールを理解の上作品を作るようにして下さい (2018年12月30日 13時) (レス) id: c2cd8ec7e2 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:パパゴラス3世 | 作成日時:2018年12月29日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。