Affect070 過去編�� ページ26
Aside
それは、蒸し暑い夜だった。
バイトが終わって、一人家路を辿っていた。午後9時。すると、向こうの方の警戒区域内でヴォーン、ヴォーン、というサイレンの音がなった。
ああ、ゲートか。
誰が処理当たるんだろうなと何となく思って、私は昔のようにサイドエフェクトを使おうとした。…しかし、いつまで経っても何も視えない、訊こえない。
「…まだだめか」
ここ半年、私はサイドエフェクトが使えなくなっていた。ボーダーを休むまえに診察してもらった時は、視聴覚の数値が一般の人と変わらなくなっている、と告げられて、恐らくまだその数値のままなのだろう。
「あれ、亜桜か？」
呼ばれて振り返ると、半年ぶりに会う人がいた。
「え、太刀川さん？なんでこんなとこに」
太刀川慶。私の元隊長。太刀川隊をやめて中学を卒業してからここ半年、私はボーダーを休んでるので、一度も会ってなかった人だ。
「友達の家がこの辺でな。お前は？」
「バイトの帰りです」
「あー。あ、飯もう食ったか？」
「まだですけど…」
「じゃあ行こうぜ、腹ぺこだ」
「、は？」
何せ半年も会ってないからどう接していいか分からないでいる私を放って、太刀川さんは歩きだしてしまった。私から待ってくださいと言ってももう耳に入ってない。本当にこの人人の話訊かない。
「もう…」
.
太刀川さんは、私をボーダーにしてくれた人。
中1のとき、私が好奇心で警戒区域に入って。そこに現れたネイバーを倒してくれたのが太刀川さん。そして私をボーダーにスカウトしてくれた。反対してた親の説得も。
正式入隊した日。彼は太刀川隊を作ると言った。
そして私は誘われたのだ。これから作る隊に入れと。それからずっと、私は太刀川隊だった。中3の冬まで、ずっと。
「もしかして奢り？」
「当たり前だろ、高校生から金取れるか」
「やったー」
太刀川さんが連れてきてくれたのはラーメン屋。カウンター席しか空いてなかったので、私達は隣に座る。2年以上隊長として尊敬していた人が、今関係性が変わってここにいる。私達は今、なんという関係だろうか。
『私は、まだボーダーとして死にたくない、これで終わりにしたくない。だから、前を向くために、』
『私は、太刀川隊をやめます』
中学3年の2月。私は太刀川隊をやめた。
そしてボーダーも休んだ。もう半年以上防衛任務すらしていない。トリガーも、本部に預けてあるから持ってない。基地には一度も立入っていない。
「元気にしてたか」
ラーメンをすすった太刀川さんがそう言った。
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亜桜(プロフ) - レイさん» ありがとうございます！過去編の方の親友と高校の親友は別人になります;;表記がややこしかったですよね！修正しておきますね〜！！ (2020年6月9日 12時) (
レス) id: 4e05bff474 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - とても面白いです！過去編の親友の名前は高校の親友と同じ名前でいいんでしょうか？ (2020年6月8日 23時) (レス) id: b6ab3f2fc3 (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - そるとさん» コメントありがとうございます！マイペース更新で申し訳ないです;;がんばります！ (2020年5月21日 23時) (レス) id: 4e05bff474 (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - すごく面白かったです。更新されることがあったら楽しみに待ってます！ (2020年5月21日 19時) (レス) id: 6009fd27be (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - みっとんさん» ありがとうございます！がんばります〜！ (2020年2月8日 10時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亜桜 | 作成日時：2020年1月4日 1時
