Affect069 過去編�� ページ25
Aside
私には、かつて大好きな人がいた。一生、忘れない人。
それは小学生の頃、人生で初めてできた親友で。私にとってかけがえのない人だった。彼女と居るのが一番楽しかったし、一緒にいた時間がいつもキラキラ輝いて見えた。
でも、彼女は突然行方不明になった。
ショックで、しばらく立ち直れなかった。そのまま良く言えば平凡に、悪く言えば抜け殻のように日々を過ごし、つまらないな、が口癖になっていた頃。
第一次大規模侵攻が起きた。
それは三門市の運命を変えたが、間違いなく私の人生も変えた。私はボーダーに惹かれ、入隊を決意したのである。親に反対されたが、偶然出会った太刀川さんが私を見込んでくれて、親を説得してくれた。
そして私はボーダーになった。
『おれの隊に入れ』
同時に、太刀川隊への所属が約束された。そこから正隊員に上がって正式に隊を組んで、そんなある日。私はずっと忘れていた記憶を、突然思い出したのだった。
親友が行方不明になる前日の記憶。
私は、SEで視ていたのだ。彼女が、ゲートと思われる黒い穴の中に入っていく光景を。それで私は推理した。彼女は近界民に連れ去られてしまったのだと。だったら遠征に行こう。そして彼女を助けに行こう。
私がボーダーで上を目指す理由が、この時生まれた。
太刀川隊は順調に順位を上げ、A級に昇格した。そこからさらに上へ、上へと上り詰め、ついに中学3年の冬。遠征選抜メンバーに選ばれたのだ。
＿＿＿それが、私の最初で最後の遠征だった。
.
.
＿＿＿約一年半前、夏。
「お、亜桜じゃん。今日もバイト？」
「うん。あ、そーいえば米屋期末何欠に抑えた？」
「8〜」
「っしゃ勝った、セーフ」
「いやお前らの争い低レベルすぎるだろ」
その日は隣のクラスの米屋が出水の所に遊びに来ていた。私が通り過ぎようとそちらへ歩くと、米屋が声を掛けてくる。高校1年の夏。期末テストが終わったばかりで、夏休みまであと少しだった。
私は、ボーダーを休んでいる。
あの遠征で何も斬れなくなって、防衛隊員でいられなくなったから。太刀川隊も抜けた。あの場所に居続けても、多分一生私は復帰できない。だからトリガーを本部に返して、ただの高校生になっていた。
「じゃ、そろそろバイトやばいから行くね」
「おー、じゃあな」
「バイバーイ」
バイトに明け暮れて、忙しく過ぎていく日々。同じクラスの出水とも特に今までと変わりなく過ごして、あいつが任務で特別早退をするのを、ただ見ているだけの日々。
そんな日々が、もう半年以上続いていた。
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亜桜(プロフ) - レイさん» ありがとうございます！過去編の方の親友と高校の親友は別人になります;;表記がややこしかったですよね！修正しておきますね〜！！ (2020年6月9日 12時) (
レス) id: 4e05bff474 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - とても面白いです！過去編の親友の名前は高校の親友と同じ名前でいいんでしょうか？ (2020年6月8日 23時) (レス) id: b6ab3f2fc3 (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - そるとさん» コメントありがとうございます！マイペース更新で申し訳ないです;;がんばります！ (2020年5月21日 23時) (レス) id: 4e05bff474 (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - すごく面白かったです。更新されることがあったら楽しみに待ってます！ (2020年5月21日 19時) (レス) id: 6009fd27be (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - みっとんさん» ありがとうございます！がんばります〜！ (2020年2月8日 10時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亜桜 | 作成日時：2020年1月4日 1時
