Affect050 模擬戦 ページ6
Aside
数日、なんとなくやるせない日々が続いた。
玉狛に帰るたびに、三雲たちが正式入隊日に向けて訓練をしている様子が見られる。試行錯誤しながら、遠征を目指している。
まるで、あれは昔の私＿＿＿
「あれ、今日バイトは？」
「先週穴埋めで入った代休」
「あー」
訓練室に立ち寄れなくなって、私はいつもリビングで過ごすか自分の部屋にこもるかだった。そして今日も例に漏れずリビングで一人ぼーっとしていたら、やってきたのは迅さん。
「頑張ってるだろ、メガネくんたち」
放たれた言葉は、何か他の意味がある気がした。
「…そーですね、あの分なら割と早めに正隊員上がって隊組めるんじゃないですか」
自分でも愛想がなさすぎたのが分かった。あれ、私ってこんなに分かりやすいタイプだっけ。こういうの隠すの結構上手いはずなんだけどな。やっぱボーダーが関わると私って変わっちゃうのかな。
「なあ」
ワンテンポおいて、迅さんが言った。私は無言で彼の顔を見る。
「模擬戦しない？」
「は？」
「だから、模擬戦」
「もうずっとしてないでしょ」
「久しぶりにしたいんだよ」
軽い口調のそれだが、まるで私に拒否権はなかった。模擬戦なんて迅さんの弟子になった日以来一度もしていないのに、なんで今？…いや、今までこんなタイミングなかったか。
.
「何本？」
「3本でいいよ」
エレベーターの中、訊くと迅さんがそう答えた。あまりにも少なすぎる本数に驚く。まあ斬れない私と何本も戦り合ったって意味ないし、分からなくもないが。それなら模擬戦をすること自体に意味がないはずなんだが。
「トリガー・
「トリガー・
二人分の声が響いて、真っ白な仮想戦闘モードの空間に青の隊服と桜色の隊服が映えた。迅さんが黄色く光るスコーピオンを出し、私が桜色のブレードが目立つ大きな鎌を握る。
ああ、迅さんもう風刃じゃないんだ。
『トリオン供給器官破壊、亜桜ダウン』
『亜桜ダウン』
未来視なんかなくたって、こうなる未来が見えていた。分かりきった結果だった。二人私が死んで、そして3人目の私がむくりと立ち上がる。
「お前さ、もういっこのフォーム使わないの」
「あれは斬れるようになるまで使わない」
「でもこないだ使っただろ？」
「え？」
「出水と戦ったとき」
それは確実に、この前の黒トリガー争奪戦のことを指していた。…まさかあの日、SEで視えてた？
「今、使って」
は、？ともはや声にもならないものがこみ上げた。
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亜桜(プロフ) - レイさん» ありがとうございます！過去編の方の親友と高校の親友は別人になります;;表記がややこしかったですよね！修正しておきますね〜！！ (2020年6月9日 12時) (
レス) id: 4e05bff474 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - とても面白いです！過去編の親友の名前は高校の親友と同じ名前でいいんでしょうか？ (2020年6月8日 23時) (レス) id: b6ab3f2fc3 (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - そるとさん» コメントありがとうございます！マイペース更新で申し訳ないです;;がんばります！ (2020年5月21日 23時) (レス) id: 4e05bff474 (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - すごく面白かったです。更新されることがあったら楽しみに待ってます！ (2020年5月21日 19時) (レス) id: 6009fd27be (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - みっとんさん» ありがとうございます！がんばります〜！ (2020年2月8日 10時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亜桜 | 作成日時：2020年1月4日 1時
